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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2006

地元在住の高島康彰「みなさんの声援を力に変えて・・・」

42歳の初シード入りを確定させたのが、昨年のこの大会だった。開催前の賞金ランクは72位。最低でもここでの予選通過が条件という中で、「立っているのもやっと」という激しいプレッシャーに襲われながら、みごとそれに打ち勝った。

迎えた今シーズン。
一気に実力開花、といくはずだった。
アクシデントが起きたのは1月。
練習中に、首と右肩を痛めた。
トレーニングと平行して治療を続けたが、「間に合わなかった」。

痛みを抱えたまま開幕を迎え、完治する見込みもなく「だんだんとボロボロになっていった」。

初めての本格参戦。
「体の治し方も分からず、思い切って休む勇気もなかった。しゃかりきに頑張りすぎた」。

無理を続けるうちに夏には右腰、秋には左ひざ、と痛みは体中に広がっていったのだ。

今年シードのボーダーラインは、規定試合数に満たない中嶋常幸(賞金ランク23位)とパドレイグ・ハリントン(同27位)と、タイガー・ウッズ(同50位)の3人をのぞいた73位まで。

今季予選通過はわずか3回という惨状の高島の賞金ランクは現在170位。
獲得賞金はわずか85万4300円。
シード権の保持には、1350万円足りない。
「ここでたとえ2位に入っても、微妙な位置」。
厳しい状況に「いっそ今週は休んで、次週のファイナルQTに備えたほうがいいのではないか・・・」とも考えた。

だが、ファンの暖かい声援がその思いを断ち切った。
大阪府出身ながら、ここ高知県に移り住んですでに7年目。
「県民のみなさんに、愛されていることをひしひし感じるから」。
そんな期待を裏切るわけにはいかなかった。

幸い、声援が大きければ大きいほど「それを力に変られるタイプ」だ。
昨年の初シード入りも、それこそが原動力となった。
「みなさんが応援してくださったからこそ、土壇場で集中してできたんです。今年も、そんなゴルフができれば良い」。

次週のゴルフ日本シリーズJTカップは、今年のツアー優勝者と今週終了時点の賞金ランク25位までなど、限られた選手にした出場権がない。

だから、高島にとってはこれが自身の最終戦。
大勢の恩人を目の前にして、最後のチャンスをみすみす諦めるわけにはいかない。



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