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今年は女子の圧勝!!

まさに、今年を象徴するような幕切れだった。この日真っ赤なウェアで揃えた女子チームが最終18番になだれ込む。最終組の宮里藍と、メンバーが次々とハイタッチ。祝福の抱擁。

2位のシニアツアーのPGAチームに7.5ポイント差。男子ツアーのJGTOチームに至っては、8.5ポイントの大差をつけて、女子ツアーのLPGAチームが初優勝。
終了後の合同インタビューで、シニアツアーの中嶋が「この順位で、八方上手く収まったんじゃない?」と苦笑したが、これに異論を唱えるものはいなかった。

まさに、今の女子人気を裏付けるような圧勝だった。

昨年に引き続き2年連続出場を果たしたシニアの賞金王・室田淳も「女子の成長の早さにはびっくりしたよ」と、感嘆したとおり。
2日間とも、質の高い華麗なゴルフを展開し、技とパワーに打ち勝った。

台湾のウェイ ユン ジェは出場した3ステージですべてアンダーパー。中嶋と谷口徹とのファイナルステージでは今回ベストスコアの32をマークする貫禄を見せて「チャリティにもたくさん貢献ができた。それが嬉しい」と、流暢な日本語で喜んだ。

韓国のシン ヒョン ジュは、ファイナルステージで10メートルのバーディパットを決めて手嶋を逆転。最高点3ポイントを獲得して男子をうならせたヒロインは、母国語で挨拶。
「素晴らしい方たちと一緒にプレーができて、ほんとうに有難かったです!」。

シニアと男子への感謝の気持ちは、飯島茜も同じだ。
「普段回れない方と一緒にプレーができて、楽しい時間を過ごさせていただいて本当に感謝しています。来年も、またぜひ出たい」と、表彰式で感極まった。

横峯さくらは、ファイナルステージの最終18番こそティショットを池に入れて「やらかしてしまった」と、舌を出したがそれまでの3ステージでは一度も負けなし。
チーム最高得点の9ポイントをたたき出して存在感を示した。
「ひとりひとりが力を合わせて優勝できた。昨年のリベンジをしたいと思っていたのですごく嬉しい!」と、無邪気な笑顔を見せた。

そして、2日目サードステージの最終9番と、ファイナルステージの最終18番でいずれも長いパットを決めた宮里藍
「見せ場できっちりと取れる。だからこそ藍ちゃんは、人気がある」(JGTOチーム手嶋多一)。
ゴルフもさることながら雨降りしきる中、ギャラリーひとりひとりの呼びかけに手をあげて答える。輝くような笑顔を振りまいて、観衆を魅了する。
車椅子の子供たちに駆け寄って「寒くない?」と手を握る。しぐさのひとつひとつに、優しさがにじみ出ていた。

この日のファイナルステージでは、世界のアオキこと青木功と、賞金王・片山晋呉と同じ組。
「すごいメンバーに挟まれて、恥ずかしいくらい固くなってしまったけれど。良い経験をさせていただいた上に、昨年のリベンジも果たせて本当に嬉しいです。ありがとうございました」。

最後の最後まで礼儀正しさと、感謝の気持ちを忘れずに戦った。
何より、チームワークの強さが際立った。
女子ツアーこそ、本年度最強ツアーの名にふさわしい。
  • 世界の青木と賞金王に挟まれてのラウンドに「恥ずかしいくらい緊張してしまいました」と宮里

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