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ウッドワンオープン広島ゴルフトーナメント 2007

森田徹「失うものは何もない!」

昨年のチャレンジトーナメントで“無冠”ながら、16試合に出場してトップ10入り7回と安定したゴルフを見せて、賞金ランクは4位。
今季ツアー前半戦の出場権を得たものの、開幕から苦戦が続いていた。
「コースのギャップに、苦しんだ」と、森田はいう。

「確かに、昨年のチャレンジで僕は常にリーダーボードの常連だった。でも、ひとたびツアーに来たら、ボードにチラリとも載れない」。それが現実。

昨年のチャレンジのバーディ数ランキング2位、一昨年は1位。
しかし、そんな森田もいきなりトーナメントの厳しいセッティングに放り込まれて、バーディ合戦についていけない。
予選通過さえままならず、「チャレンジではありえないようなコースの難しさ」に萎縮した。
自信を失いかけていた。

流れを断ち切ろうと、今週から意識するようになった。
もともと得意だったパッティング。
「これまでは、大事にやりすぎてビビッてパンチが入ったり、緩んだりしていたけれど。今週は、強めに打つように努力している」。

ストロークは「極力、小さく早く」。
そうすることで、一定のリズムで打てる。
そんな修正も、この日前半の11番で17メートルのバーディパットを決めて確信できた。

折り返しの1番から4連続。3番、4番で8メートルをねじこんで4アンダーは、いよいよツアーでリーダーボードに初登場だ。

「精神修行と、子供との時間を増やすため」と7歳の長男・翔くんと、少林寺拳法を習い始めたのは昨シーズン。先週は、その師範でもある千葉県成田の山本接骨院の山本トレーナーの弟子の水島トレーナーがわざわざ会場に駆けつけてケアをしてくださった。
おかげで、体調も絶好調だ。

ゴルフを始めたのは13歳のとき。
いつも遊びに行く近所の公園で、ゴルフをしている友達がいた。
はじめは「ゴルフなんて」と、バカにしていた森田だったが友人に「一度でいいから打ってみろ」と言われて、たちまちハマった。
9番アイアンで軽く振ったボールは高々と舞い上がり、思いのほか上手に打てた。
「おまえ絶対に素質あるよ!」と親友に絶賛されてその気になった。

成田高校を卒業後にプロを目指し、ベストゴルフという練習場で出会った海老原清治に師事。97年にデビューを果たし、38歳を迎える今年は節目のプロ10年目。

今季10戦目の今週は、普段の調子を取り戻して改めて思う。
「俺に、失うものは何もないから」。
思い切って、上位進出を狙う。

森田徹
1969年12月7日生まれ、千葉県出身。13歳のとき、遊びで始めたゴルフにはまってプロの道を目指した。千葉県成田のゴルフ練習場「ベストゴルフ」で出会った欧州シニアの賞金王・海老原清治に師事し、97年にプロ転向。身長168センチ、体重65キロ。

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