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ファンケル沖縄オープン 1999

逆転賞金王を目指した細川和彦は、無念の予選落ち

 最終18番パー4は、355ヤードの左ドッグレッグでワンオンも可能なホール。ここを通算1オーバーで迎えた細川は「とりあえずパーであがれれば…」と読み、ティショットをフェアウェー真中に刻んだ。
 第2打のアプローチは思ったより寄らず、ピン手前8メートル。これを2パットで沈めてパーでホールアウト。

 「18番を打つ前に何組か詰まっていて、ティグラウンドで待っているときにみんなで『予選カットは1オーバー』っていう話が出たんだけど…」実際は、予選カットラインは通算イーブン。わずか1打足りずに涙をのんだ。

 現在トップの尾崎直道から逆転『賞金王』の座を奪うには、この大会で優勝するか、尾崎が40位以下で単独2位に入るしかなかった。その土壇場での屈辱に「最後まで大会を盛り上げたかったのに…それが1番悔しいよ」と、細川は肩を落した。

 振り返れば6番パー4(344ヤード)でのダブルボギーがすべてだった。

「なんてことないホールなのに」(細川)ティショットでドライバーを握って、痛恨のOB。打ち直しの第3打はグリーン手前のバンカーに打ちこみ、グリーン手前のラフから4オン2パット。

「ここで気分が変わった。やる気を失ってしまった」とため息をついた。

「(賞金王争いは)優勝争いとは、また質の違ったプレッシャーがある」という。「全体的に力が入っていたし、我慢もできなかった。最終戦は大会を盛り上げて、気分良く締めくくりたかったのに…悔しい。納得できないよ。直道さんには…『おめでとうございます』ってことと、『わざわざ沖縄まで来ていただいてすいません』ってことだけですね…」。終始、沈んだ表情で、コースを後にした。

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