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マンシングウェアオープンKSBカップ 2000

川原希が通算8アンダー4位タイで決勝進出。初Vを、まだ見ぬ我が子へ―。

「あいつがいないから、調子がいいのかな?…な〜んてね」と川原希が舌をペロリと出した。昨シーズンは、常にキャディとして、川原とともにコースを闊歩していた和子夫人の姿が、先週の日本プロから見えなくなったと思ったら、なんと、“オメデタ”。先々週のフジサンケイクラシックのとき、夫人が体調不良を訴えて妊娠2ヶ月とわかったという。それで先週からは夫人のかわりに、かつて所属していたコースの研修生を起用して戦っている。

和子夫人は「今年もずっと担ぐつもりでいたのに、突然のことでまだ実感がわかなくて」と戸惑いがちだが、“未来のパパ”は、待ちわびた第一子に大喜び。発奮材料ができて、乗りに乗っている。
出だしの1番パー4で第2打に失敗してボギー発進となったが、「まだまだ先は長い」と気を取りなおし、2番パー5では1メートルのバーディパットを沈めてすぐに取り返した。後半の12番では10メートルを沈めてバーディ。最終18番は、安全に刻んで4 メートルに3オン。これをど真ん中から沈めてガッツポーズだ。5バーディ、1ボギーで通算8アンダー、4位タイにつけた。

仲間からの刺激も大きい。高校時代からの友人、小山内護や、昨年末引っ越して(葛西)近所になった片山晋呉らと行動を共にするようになり、「ひとりではここまでやれなかった」という充実した時間をすごしている。
昨日は、片山のあみ出したパット練習を自分でもやってみたほか、スイング面では「希はフルショットしすぎ。たとえばいつも150やードで8番アイアンを握っているのを、6番くらいでハーフショットをする練習をしてみたら」と指導を受け、好感触をつかんでいる。
「普段から、晋呉やマモ(小山内)のスイングを見るだけでも、得るものは大きい。特に晋呉はいつもなにかしら練習に工夫を取り入れていて、ほんとうに勉強になります。彼のすごいところは、有言実行なところ。早く僕も追いつきたい」と川原。3打差で、その片山を追いかけて、初Vはぜひまだ見ぬ我が子へ捧げたい。

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