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デサントクラシック マンシングウエアカップ 1999
杉原親子、細川兄弟
父は毅然と、威厳を見せた。
7バーディ1ボギーの通算7アンダーで、3位タイにつけた細川和彦と、1打差5位タイの杉原輝雄だ。
2人は、共に心配の種がある。
細川は、6つ下の弟・和也(23歳)、杉原は二男の政之(33歳)が、まだ研修生の身でありながら今大会ツアー初出場を果しているのだ。
「和也には、なんとか予選を通ってほしいと思う。
新ツアーによる推薦枠の拡大で出場させてもらった人の中から予選通過者が出て、ツアーが本当に変わったんだっていうことを印象づけてもらいたいから」と細川。
その熱い思いが、自らのプレーにも効いたのか。
最終9番(インスタート)。
第1打、3番アイアンで刻み、ピッチングウェッジでピン8メートルに乗せると、これをねじ込んでバーディフィニッシュ。
初日の23位から、ジャンプアップだ。
「試合は3日間になったけど、それでもいいからとにかく勝ちたい」。
そう語ったあと、すぐに「和也は通る(予選通過する)?」と、2日目を通算1オーバーの61位タイであがってきた弟を気遣っていた。
(予選通過は通算イーブンの50位タイまでの選手60人)。
一方、杉原輝雄は「開幕から3試合落ちてるから、予選通過が目標でした」と淡々と言うが、結果は予選通過どころかV圏内。
細川兄弟
出だし10番ロングの4打目。グリーンエッジからの約7メートルのアプローチをカップイン。これに気を良くして13番もバーディを奪う。
15番ミドルでは、グリーンオーバーした第3打をうまく寄せるも、50センチをミスパットしてボギーとしたが、続く13番ショートを1、5メートルに乗せてバーディ。落としても、必ず取り戻す本来のしぶとさを随所に見せ、かくしゃくとした父を演じた。
息子・政之は、2日目を74で回り、通算6オーバー、93位で予選落ち。
“親子競演”は2日で終ってしまったが、
「初日にえらいプレッシャーを感じていたようですからね。いい経験させてもろたですね」と父・輝雄。
初日、政之の初ティーショットを背後からひっそりと見守っていた“オヤジ”は、人前では感情を抑えて、冷静に語った。
杉原政之
右が二男の杉原政之、左は長男
「うわーオヤジと10打差もついてしまった〜。
きょうもオヤジに叱られるな〜(笑)。
でも、昨日は4ホールまわったあとで中止になって、きょうは18ホール回れて、なんか得した気分です。
やはり少しでも、いい経験したいですからね。
余分に回らせてもらえて、有難かったです。
初日が終った夜、はじめてツアーに出て、興奮したんでしょうか。夜中3時まで寝れなかったんです。
でも、昨日はその分ぐっすり寝て、万全の態勢で臨めたし、満足です。
また明日から、少しでも早くプロになるため頑張ります」
細川和也
4バーディ、2ボギーの70。通算1オーバーで予選落ち「18番のスコアボード見て、兄の名前を見つけて、よし、自分もがんばろうって気になりました。
きょうは初日と比べて、ずっと落ちついてできました。
少し、慣れたんでしょうか。
ただ、せめてパープレーにはしたかったですね。明日も頑張りたかったんですが・・・」