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日本オープンゴルフ選手権競技 1999

通算8オーバー、4位タイの細川和彦

 午後3時ごろから、風雨はいっそう激しさを増した。吹きつける雨は、霧のように曇り選手の視界を遮った。
 寒さが、手の動きを緩慢にする。風がボールを翻弄し、濡れそぼったラフは重みをまして、クラブにからみついた。

 通算10オーバー6位の横尾要は、「ティショットをドライバーで打ってナイスショットして、セカンドもスプーンでナイスショットしてるのに届かない。グリーンも、ジュジュジュって感じで、転がりにくいし、暗くてラインも見えないから当てずッぽうに打つって感じ。寒い、風すごい、届かない、って感じ」と、苦労を語った。

 通算8オーバー、4位タイの細川和彦も「暗くてラインがまったく見えなかった」と嘆いた。特に16番ロングホールから暗さは増して、「距離を合わせるだけで精一杯。ぼくは視力が悪いからよけいだよ」と、ため息をついた。

 持つ番手も、ひとつ以上違っていた。

 「9番は第1打ドライバーで打ってラフに入れて、9番アイアンで出して、今度は3番アイアンでやっとピン左2メートル。18番なんか、2番アイアンだよ。215ヤードも残っちゃってるから。距離感は、半分くらいは適当に打つって感じで打って、グリーンの近くに寄せればいいやって感じだった」。

 寒さにかじかむ手は、売店のカンコーヒーで、暖めてしのいだという。

 ホールアウトしてくる選手の第一声は、誰も「疲れた」のひとことしかなかった。 

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