記事

日本オープンゴルフ選手権 2009

地元・埼玉出身の五十嵐雄二が狙うは日本タイトル2勝目

今年6月に5年シードのメジャー戦「UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ」で当時40歳にして、悲願のツアー初優勝をあげて、一躍時の人になったのもつかの間だった。

そのあと、4試合連続の予選落ちを喫して、周囲を心配させた。
「確かにショットの調子はあまり良くなかったんだけど・・・。それでも、全体的にはそんなに悪くはなかった。なのになんだかうまく噛み合わなくてね」。

初優勝の特典で得たWGCブリヂストン招待に挑戦したその足で出場した次の関西オープンでようやく決勝ラウンドに進んだが、そのあとまた3試合連続の予選落ち・・・。

ようやく復調のきっかけをつかんだのは、9月のアジアパシフィック パナソニックオープンだった。
フェアウェーがめっぽう狭く、狙うグリーンは小さく堅い。京都府の城陽カントリー倶楽部は最終日にアンダーパーをマークしたのは4人だけという難コースで、「他のことが何にも気にならず、ゴルフに集中できた」。
バーディ合戦なら、スコアに気を取られて本来の持ち味が発揮できないが、「目の前の1打で精一杯」という状況が、逆にプラスに働き7位タイと粘れたという。

そういえば、初優勝の会場の宍戸ヒルズカントリークラブも選手泣かせの難コース。
「難しいコースのほうが、やりやすいかも」という五十嵐にとっては、今週のゴルファー日本一決定戦も、うってつけの舞台だ。

例年よりは、フェアウェーも広めで、ラフも昨年よりは短く若干緩くなったとはいえ、五十嵐には「だからといって、易しいとは思えない。ラフは、すっぽりボールが潜り込む微妙な長さだし、グリーンも大変。相変わらずの難しさがある」。
しかしだからこそ、やりがいもある。

もし勝てば、公式戦で年間2勝目。
「当然、頑張りたいですよ」と、やる気満々だ。

現在は、茨城県に住むが今年の会場の武蔵カントリークラブの地元、埼玉県は吉川市の出身。“ご近所”さんとして、中学時代の石川遼に、プロの凄さを見せつけたのが五十嵐だ。

近頃は、「ゴルフを始めた」という幼なじみも多く、週末にはたくさん応援にかけつけるだろう。
「いや、きっとみんな遼くんを見にくるんじゃないの?」と冗談交じりに、「その中で、僕も上位で頑張れれば」。
コースから車で約1時間の立地で幼稚園の園長先生をする兄の修さんも、楽しみにしているはずだ。

予選ラウンドは、石川と賞金レースを争う23歳の池田勇太と同じ組。
「人のことどころじゃないとは思うけど。僕も負けないように頑張ります」と、アラフォーの星が腕まくりした。

関連記事