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世界に挑戦する選手たち<宮瀬博文>

宮瀬博文を知れば知るほど、良い意味でその風貌を裏切る“素顔”が見え隠れする。中学卒業後はプロ入り目指して迷うことなく研修生となり、史上最年少の21歳でシード入りを果たした。「こう」と決めたらまっしぐら。猛進する性格は、今も変わっていない。

米ツアーへの挑戦を決めたときもそうだった。

「自分のゴルフを高めるには今しかない、と思って」。権利がある、と知ってすぐに昨年末開催のファイナルQスクールへのエントリーを決めた。その最終日、最終ホールでバーディ。「僕はわりと、すぐに諦めてしまうタイプ」と反省材料をあげる宮瀬にとって、早速、この1打が課題克服に近づく第一歩となった。マークした通算7アンダーは、2004年のツアーライセンスが得られる当確ライン。最後の1打で、新天地への狭き門をこじあけたのだ。

「アメリカで我慢を覚えることで、ひとつ大きくなれればいい」。今年33歳。あえて厳しい環境に身を置き、精神面でもいっそうの成長を図る計画だ。

先月のソニーオープン(予選落ち)に続き、今週開催のAT&Tぺブルビーチナショナルプロアマが本格参戦2試合目。「来季のシード権が得られる賞金ランク125位内に入るのが目標」と語る宮瀬にとって、その1戦1戦が試練となる。

写真上&中央=今週の会場のひとつ、ぺブルビーチゴルフリンクスで今季2戦目の調整に励む宮瀬。ぺブルビーチはサンフランシスコから海岸線沿いに約200キロ南に行ったところのモントレー半島にある。眺め渡す海にはさまざまな種類の海鳥やラッコなど、かわいらしい野生動物たちも顔を出す。自然豊かで美しい環境と裏腹に、 USPGAツアーで一番の難コースとしても知られる。

写真下=今大会はその名のとおり、有名芸能人、スポーツ選手、歴代の大統領など華やかな顔ぶれのアマチュア1人にプロ1人が組んでチームとしての成績でも競われる。写真右はご存知、俳優のケビン・コスナー。映画『ティン・カップ』でプロゴルファーを演じた彼も大会の常連のひとりだ。

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