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キヤノンオープン 2009

池田勇太が単独首位に

11番で暗雲垂れ込めた池田だったが・・・
台風18号の影響で大会初日が中止となり、競技は54ホールの短期決戦。「3日間となれば、出遅れだけは避けたい。やっぱり最初から、多少は飛ばしめで行かないとな」と話していた池田だが、インスタートの11番パー3でやにわに不穏な空気に。

グリーンの左に外したティショットは木と木の間へ。
下りのアプローチは落としどころが難しく、慎重にアドレスを取り、バックスイングの切り返しにさしかかったその瞬間だった。

すぐ背後にいたギャラリーの携帯電話が鳴り出した。
「しかも“もしもし”って出てすたすたと歩いていったから、あれにはさすがにたまげたよ」と、いつもの勇太節は苦笑いで振り返る。

「まだアドレスの段階だったら止めたんだけど。あ、と思ったときにはもう打っていた」。そんな一連の出来事に反応したアプローチは案の定、3メートルもオーバーしてボギーが先行。

さらに次の12番で、1.5メートルのバーディパットは「ちょうどライン上にあったスパイクマークにペンっと、右にされたよ」。
先のイライラを払拭する絶好のチャンスもものに出来ずに「今日はダメだな。流れが悪りぃや」。

だが、諦めるのはまだ早い。13番のパー5は、52度のウェッジで打った94ヤードの第3打がカップイン。
このイーグルに、「チャンス到来」。がぜん元気を取り戻した。
次の14番パー3で5メートルのチャンスを決めて、完全に流れに乗った。
16番から3連続バーディを奪い、コースレコードタイは64のロケットスタートに成功した。

「去年の借りを返す」と血気盛んに臨んだ先週のコカ・コーラ東海クラシックは、最終日の最終ホールで2年連続の池に入れ、石川遼に敗れた。
人気のないクラブハウスでは鬼の形相で悔しがったが、今週はけろりとした顔で表れて「俺は、嫌なことはすぐに忘れる。そういう性格なんだ」。

完全リセットで、2週連続の単独首位発進。
加算賞金は75%となり、優勝賞金は当初の3000万円から2250万円。
この大会で、賞金ランク1位の石川を抜くことは出来なくなったが「そんなことはどうでもいい」と、意に介さない。

その石川がプレジデンツカップの参戦で、日本を留守にする今週は池田が文句なしの注目度NO.1。
この日も、その動向を日本テレビの2台のカメラが追いかけた。
「・・・基本的には、放っておいて欲しいけどな」と言ったのは、心にもないセリフだ。
あまのじゃくな23歳の本音は「プロは魅せるゴルフをしてなんぼ」。
ジャンボ尾崎の後継者候補が大勢に視線を浴びたくらいで、怖じ気づくはずがない。
  • 13番で第3打をカップインして・・・
  • 笑顔で万歳!!  このイーグルで息を吹き返し、ロケットスタートに成功した

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