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ブリヂストンオープン 2010

石川遼は最終日にようやく・・・

日曜日になって、ようやくバーディ戦が特徴の、今大会らしいスコアカードを作った。ボギーなしの8アンダーは、もちろんライバル池田勇太を脅かすほどには迫れなかったが、それでも本人は「やっと、現在の賞金ランキングや成績にマッチするようなラウンドになってくれた」と、久しぶりに晴れやかな笑顔が戻った。

最終日にらしさもやっと出た。
「今日は、ドライバーをとにかく思い切り振り切ろう、全ショット100%に近いくらいで振っていこうと、それだけを気をつけた」という。

賞金レースのことやら、2週後の世界ゴルフ選手権「HSBCチャンピオンズ」の出場権の確保やら、さまざまな雑音に加えて、先週の日本オープンは、あってないに等しいような狭いフェアウェイの後遺症で「振っているつもりが知らず知らずに、それがなくなっていたかもしれない」。

今週は初日から、ショットに精彩を欠いたが前日3日目の吉報も、雑念を振り払うよいきっかけになったかもしれない。「HSBCチャンピオンズ」は、今年5月の中日クラウンズの優勝枠が繰り下がり、主催者から出場の内定通知をもらった。

「昨日までのプレーなら、中国に行ってもダメなのでは、と思っていたけど、今日のおかげで中国でも頑張れるんじゃないか、という気持ちになれた」と、再び気持ちも前向きに。

賞金レースは今週の優勝で、今年も池田勇太が候補に名乗りを上げた。
近ごろは、なぜか石川がV争いをしているときに池田が低迷し、池田がそのときには石川がおらず・・・というパターンが続いており、お互いに「最近、同時に2人が上にいることがない。2人でまた優勝争い出来たらいいね」と話していた矢先だった。

「池田さんが勝ったらますます誰が(賞金王に)なるか分からなくなって、目が離せないですね」と、胸躍らせた石川はふと我に返って、「なんだか自分が視聴者みたいになってますけど」と、ニコニコと笑った。

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