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三井住友VISA太平洋マスターズ 2010

今田竜二は「遊びに来るだけなら、ギャラリーとして来ます」

この日2日目は8メートルを超える風が吹き荒れ、選手たちが軒並みスコアを崩す中で、「今田さんだけはあんなに素晴らしいプレーをされて・・・。ゴルフの内容は、僕と雲泥の差」と、改めて尊敬のまなざしを送ったのは、同じ組で回った石川遼だ。

難条件でこそ、米ツアー1勝の実力が光った。

4番は8番アイアンで3メートル。5番は6番アイアン、11番ではアプローチをやはり50センチにピタリとつけた。上空を舞う強風にも、寸分の狂いもないアイアンの距離感。
御殿場の高速グリーンは、「3パットをしない、と決めている」。だが、この日は6番でエッジからようやく3つで沈めて公約を破ってしまい、「昨日、今日で2ホールも打ってしまった」と悔しがったが「明日、明後日はゼロで行きたい」と、強い意志をにじませる。

8番では4メートルの下りフックの難しいパーパットをしのぎ、ボギーは2つだけにとどめて首位タイで決勝ラウンドを迎える。

一番の攻略の鍵は4つのパー5だ。
「どれでも2つで届く距離だし、バーディは絶対です。明日も明後日も攻撃的なゴルフで取って行ければいい」と、明確だ。

14歳で単身渡米した今田にとっては、もはや7年目のシード権を決めた米ツアーがホームコースではあるが、こうして長く離れているからこそ母国への思いは強い。

今大会は、3年連続4度目の招待を受けたが、それは本人のたっての希望でもある。
スケジュールの関係で、日本ツアーへの参戦は年に1回か、2回がせいぜいだが、それでもこうして毎年、少ない機会を積極的に作るのは、「日本で勝ちたいという気持ちが強いから」。
ここにいる目的も、そのひとつしかない。
「遊びに来るだけなら、ギャラリーとして来ます」。
その一言に、賭ける思いが集約された。

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