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カシオワールドオープン 2010

深堀圭一郎も土壇場の好発進!!

今週のカシオワールドオープンは、シード権争いの選手にとっては事実上の最終戦。初日が終わり、ボーダーラインも現在、賞金ランク70位につけるエディー・リーまで、と落ち着いた。

というのも同61位につけるデービッド・スメイルの先週までの今季の出場試合数は15で、義務数にあとひとつ、足りなかった。
このままではランキング対象外となるところだったがスメイルも初日を2位タイで無事、終えたことからこれで晴れて、上位70人の枠に潜り込んだ。

そしてそのスメイルとともに、5アンダーで好スタートを切ったのが、深堀だ。首位に立った田中秀道と同様に、2003年の日本オープンを含む、ツアー通算8勝の実力者が、窮地に立たされている。

足裏の痛みに苦しみ続けた今季はいまだ、賞金ランキング78位の“圏外”にいる。近日中の手術も視野に、もしもこのままシード権を失っても次週の予選会ファイナルQTには出場せず、治療に専念する覚悟を固めた矢先のこの日の好発進。

「やっぱり、踏ん張ると痛い・・・」。ホールを進むごとに、ジワジワと増していく痛みに耐えながらも、ボギーなしの67には自然と気合いも入る。

ツアーに帯同する成瀬克弘トレーナーをはじめ、周囲の献身的なサポートを受けて、「痛くなったら痛くなったときのこと。ひとまず今年はこれで最後なのだから。しっかりとしたスイングをして終わろう」との思いがプレーにも、溢れ出ていた。

同組の小山内護が不思議そうに首をかしげた。「そんなに良いゴルフをしていて、なんでそんなに苦しいのか」。
本人も、「今年一番のゴルフが出来た」と土壇場の好スタートに、最終18番は初日から、沸きに沸いた。奧のカラーからのイーグルトライを確実に寄せて、バーディ締めにはまるで、優勝争いのような拍手と歓声が深堀を包んだ。

選手会長のもとには毎日のように、熱心なファンからメールが届く。「深堀さんのようなプロに、来年もツアーを引っ張っていって欲しい」といった内容を読むにつけ、なおさらここで、諦めるわけにはいかない。「大勢の方にご心配をおかけしているので。たまには良いお話が出来るように頑張りたい」。これまでにも数々の奇跡を起こしてきたど根性魂を、いまこそ発揮するときだ。

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