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カシオワールドオープン 2010
石川遼も、気合い十分
「この試合で決まって欲しくないというのは僕だけじゃない。ゴルフファンの皆さんも、賞金王が決まるのは、最終戦というのがふさわしいと思っているはず。最後に決まるっていうのが誰にとっても面白い」。
誰よりファンサービスを重視する19歳が、逆転の2年連続賞金王の可能性を、最後まで引っ張る。
そのための下準備も万全だった。
火曜日のコース入りからスイング調整のほかに、特に力を注いできたのはアプローチだ。これまでにも「これで基礎を固めてきた」という50ヤードの距離を繰り返し打って、「ドライバー、アイアンとともに、アプローチも日に日に良くなってきて、思ったとおりの距離を打てるようになっている」と、開幕を目前に、確かな手応えを掴んでいる。
金との約3200万円差にも、「このままだと、かすかにチャンスがあるぐらい。何としても、差を縮めていきたい」と執念を燃やす。
今年は、コカ・コーラ東海クラシックと、先週のダンロップフェニックスの2会場で、来年のツアー年鑑用の写真撮りが行われた。
当初、石川は2会場とも撮影に臨み、より写りの良い写真を採用する計画だったが、先週は直前に“キャンセル”。
「お父さんに、髪型とゴルフとどっちが大事なんだ、と言われて答えられなかった」というほどこだわりのヘアスタイルも、連戦続きで近ごろはほとんど手を加えられていなかった。
「いま、ぺったんこで凄く変だから」と、石川は直々にカメラマンに撮影中止を伝えていた。
今週はそんな微笑ましい19歳の悩みも晴れた。
先週の最終日終了後にパーマをかけて、気分一新。それは偶然にも今週の日曜日に最終回を迎える話題の大河ドラマで福山雅治さん演じる坂本龍馬を彷彿とさせるスタイルで、「これで、いつどこでテレビに映っても大丈夫です」。ゆかりの地・高知で石川が、歴史の扉をこじ開ける!!