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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2010

石川遼は「望みはつながった」

逆転の2年連続賞金王を狙う石川は、3日目に伸び悩んだ。6番で、奧のラフから「イメージどおりに打てた」と、完璧なチップインイーグルを奪ってガッツポーズを握ったものの、見せ場はここくらい。軒並みスコアが伸びたムービングサタデーに、結局この日1アンダーは、9バーディを奪った前日2日目と比べると、物足りない1日となった。

これまた、劇的なチップインバーディを奪った前日とは対象的に、最終18番パー3では、左足下がりのライから打ったアプローチが奧から急な傾斜を伝ってグリーンの外まで転がり出てしまった。

ボギーフィニッシュは、69で回って通算3アンダーと、ひとつスコアを伸ばしただけ。
それでも本人に、落胆は見られなかった。

「昨日、良くても今日また良いスコアが出るとは限らない。トーナメントは4日間戦う中で、その日その日でコースの状況も違うし、昨日の状態を維持しようとか、良いイメージを引きずろうとすることもなかった。見た目的には良いゴルフではなかったかもしれないけれど、自分もアンダーパーでは回っているので、望みはつながったと思います」。

希望の火も消えていない。
「今日はスイングも良かったし、ボギーも最小限に抑えられましたし、自分の中でも手応えがあった。2日目から3日間で15個スコアを伸ばすのが夢。あと6個伸ばせば夢は現実になる」。

前半の9ホールで5つスコアを伸ばした金庚泰(キムキョンテ)。石川と同じく、この最終戦での優勝で、逆転賞金王を狙う池田勇太も、3位タイと踏ん張った。「やっぱりさすがだな、と。それも良い意味の刺激に」こそすれ、ライバル2人の名前をスコアボードに見上げても、余計な焦りもなかった。

「今日は、良い雰囲気でプレーが出来たと思う」と微塵の後悔もなく、納得の1日。

それでもやはり、「明日は、少し違うと思う」と、石川。
「今シーズン最後のトーナメントになるので。それなりの思い入れがあると思う」。
賞金王争いも、いよいよ決着の時を迎え、2010年のラストゲーム。
「今年これまで取り組んできた事を総括したいというか、明日で今年も1年間頑張ったな、と言えるようなゴルフにしたい。がむしゃらに攻めたい」。

1973年のツアー制度施行後に、最終戦で逆転の賞金王に輝いたのは、2000年の片山晋呉の一例しかない。数々の奇跡を起こしてきた19歳が、今年も最後に笑うか。

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