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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2010
最終日は恒例の全員参加の閉会式で・・・
25歳の金と、24歳の池田、そして19歳の石川遼。近ごろ、台頭著しい“アンダー25”が、賞金レースを繰り広げた今年最後の1戦で、その3人にも負けない輝きを発したのが、40代の2人だった。
最終日は、谷口徹と藤田寛之の一騎打ち。今年、序盤の賞金レースを引っ張ったベテラン2人が、3人の若い主役を完全に食った。
17番は、イーグルの奪い合いで大暴れ。史上まれにみる、大激戦を演じた2人に象徴されるように、今年は20代にまけじと、いわゆる“オーバーフォーティ”が、気を吐いた1年でもあった。
7月の長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」で4年ぶりの復活優勝を上げた小山内護も40歳。8月の関西オープンで、悲願のツアー初優勝をあげた野仲茂もそうだ。
6月のレクサス選手権で劇的なV2を奪い、「若けりゃいいってもんじゃない。僕は遅咲き。地道にやれば、40になっても活躍出来る。人生諦めちゃいかん」との名言を残した兼本貴司もまた、今月40歳を迎える。
このツアー最終戦のディフェンディングチャンピオンも不惑の戦士だ。丸山茂樹は今年9位と、連覇には及ばなかったが、最終日にやはり17番でイーグルを奪うなど、存在感を示した。
そして最後に、恒例の全員参加の閉会式で、壇上に立った男もまた、「僕もとっくに40歳を過ぎています」。選手会長の深堀圭一郎は42歳。
ジャパンゴルフツアーは1年の締めくくりとしてこの最終戦の表彰式で、ファンのみなさんや関係者、ボランティア、そして主催者のみなさんに直に感謝の気持ちを伝えるために、会場に駆けつけた。
この場を借りて、韓国人選手として初の賞金王に輝いた金庚泰(キムキョンテ)の功績をたたえることもぬかりなく、 選手全員の健闘をねぎらいながら「ここにいる選手全員が、また、今年はこの大会に出られなかった選手たちも来年の開幕戦で、再びみなさんの前に元気な姿で戻って来られるように、頑張ってきます」との挨拶に、自身のことはいっさい語らないまでも、いまの自らの境遇をひそかに重ね合わせていたことは、明白だ。
今年、15年連続15回目のシード権の確保に失敗した。さらに、来季の出場権をかけたファイナルQTは、いままさに佳境を迎えているが、深堀はあえて、そちらにも参加しなかった。今季、不振の最大の原因となった足の裏の痛みは予選4日、決勝2日の長丁場にかえってダメージを深くすると判断。
手術も視野に、まずは治療に専念して完治を目指す。
「そして必ず元気な姿でまたここに、戻ってきたい」。
同世代の活躍を目の当たりにするにつけ、壇上でその思いをいっそう新たにしたはず。いつかこの頂上決戦にも、今度は必ず出場選手の一人として帰ってくる。