Tournament article
サン・クロレラ クラシック 2010
今週のトーナメント<サン・クロレラ クラシック>
連覇がかかるのは、石川遼。
昨年の今大会は、屈指の難コースでまれにみるバーディ合戦。さらにバックナインは、豪州のブレンダン・ジョーンズとの激しい一騎打ちに、勝負は最終ホールまで決着がつかず、最後はいよいよパット勝負の場面で石川が、3メートルのバーディパットをねじ込み終止符を打った。
見守る大ギャラリーはもちろん、戦う本人たちも胸躍らせた。
「自分の中でも一番燃えた闘いのひとつでした」と石川は振り返る。
激戦の中で、芽生えた友情もあった。
プレー後は、ジョーンズに「この経験は、遼にとってきっとプラスになる」と言われて、当時17歳は、堪えきれずに号泣したものだ。
感動の1戦は、道内で挙げた初優勝でもあった。
「自信をつけてくれた。ものすごく大きな1勝でした」と、振り返る。
あれから1年。
ますます勝ち星を重ね、海外メジャーでの経験を増やし、ひとまわりもふたわまりも大きくなって、思い出の舞台に舞い戻る。
18歳ながら、底抜けの探求心と向上心は、他のベテラン選手も舌を巻くほどで先週、「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」で4年ぶりの復活優勝をあげた40歳の小山内護も一目置いている。
共通の“師匠”でもあるジャンボ尾崎邸でも石川は貪欲だ。
「ジャンボさんに、これをやっておけ、と言われたら、2時間でも3時間でも同じことを飽きもせずに延々とやり続けている。あの若さで大したもんだよ。みんな遼のことを天才というけれど、そうじゃない。努力家なんだ。何でも真剣なんだよ」と石川を評した小山内は、「俺も遼くんのように、いくつになっても思い切り振り抜くゴルフをしたい。飛距離だって負けない。打倒・遼だよ」と、22歳も年下に、ライバル心を剥き出した。
いまやトッププレーヤーたちが、こぞって目標にかかげるほどの存在感で、ツアーを引っ張る。今週の会場でも、石川が台風の目になる。
「今年も素晴らしいコースで良いプレーが出来るように、全力を尽くします」と、本人もやる気満々だ。