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関西オープンゴルフ選手権競技 2010

谷口拓也が首位タイに(2日目)

ここしばらく息を潜めていた自称「ツアーのやんちゃ坊主」が、ようやく復活の兆しだ。スタートからエンジン全開。出だしの10番から火がついた。

205ヤードの第2打は、5番アイアンでピン横2メートルのイーグルを奪うと、次の11番から3連続。一気にスコアボードのてっぺんに居座った。

4番では、グリーンの「右端から左端まで打つ」ような、20メートルもの長いバーディパットをねじ込んで一時は通算9アンダーのぶっちぎり。

しかしそのあと、6番でティショットを「シャンク」して、トリプルボギーを打ったのが、「また僕らしい」と自嘲の笑みも、上がりの8番で取り返して、再び首位の座についた。

きつめのサイズを好んで使うため、この日もあまりの猛暑に「汗ばんで、グローブがしづらかった」。おかげで、ラウンド中に「2枚も破ってしまった」と、久しぶりに愛嬌たっぷりな笑顔をのぞかせた。

破天荒で、いつも明るい30歳も、昨年は「ゴルフをやめたい」とまで思い詰めた。21試合に出て、予選通過はわずかに3回。

「体を壊したわけでもなかったのに」。それだからこそ、余計に堪えた。
原因は、数年前から取り組んできた「ウェイトトレーニングにあったと思う」。もちろん、それ自体は悪いわけではないのだが、「僕には、良くなかったのだと思う」。
2008年のサン・クロレラ クラシックでツアー通算2勝目をあげたことで、ますます力を入れたことが、仇になった。

「体のねじれが出来なくなって、肩が回らない。テイクバックで腕が重い。飛ばないし、曲がるし、クラブヘッドがまったく仕事をしない」。
微妙なタッチが要求されるアプローチやパットにも、その影響が出た。
「力を抜いていかないといけない場面でも、無意識に力が入ってしまう。せっかくつけた筋力が、ゴルフにつながらなかった」。
複数年シードは保持していたが、賞金ランクは158位と惨憺たる結果に終わった。

反省から今年は、柔軟性を高めるトレーニングメニューに切り替え、ようやく明るい兆しが見えてきた。5月には、同じ徳島県という縁をつたってジャンボ尾崎邸を訪ね、「ゴルフの楽しさを、思い出した」という。

試合でそのジャンボと回る機会があり、「日頃の研究を試合でどう生かされているか」。間近にしたことで、ますます思いは高まった。

「ジャンボさんは、アゲンストの風の中でも番手を落とさずに打っていく。それだけ、球を捕まえて打っているということ。ジャンボさんを見ていて、自分も、いま以上に上手くなりたいと、本気で思った」と、生き生きと語った。

本人にも自覚がある。
「復活は近い」。
過去2勝はいずれも8月開催のトーナメントというデータにも後押しされて、夏男が真夏の京都を盛り上げる。

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