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つるやオープン 2010
2位タイの横尾要は「失速したくない」
ここ2年半近く愛用してきたアイアンに「凄くハマっていたから。本当は、替えたくなかったんです」。
それに加えて4年前に、長年世話になったメーカーと用具契約を解消し、フリーになってからというもの、自分の好きなクラブを試せる自由とともに、開幕までに、入念な打ち合わせがしづらいという不自由さもあった。
そんな不安はさっそく的中。先週の開幕戦だ。
「痛い目にあった」。ニューアイアンで、思ったとおりにボールが打てない。
結局、56位は下から数えたほうが早い順位で初戦を終えたが、収穫もあった。
たまたま練習場で打たせてもらった谷原秀人のアイアンだ。
「とてもフィーリングが良かったから」。早速、プロギアに1セットを依頼。
しかし到着が遅れ、ようやく手にしたのは今週の開幕目前だった。
前日水曜日のプロアマ戦後にようやく練習場で試打という慌ただしさだった。
初日の中止を挟んで、2日目の第1ラウンドで、初めてコースで使うという“ぶっつけ”は、「まず、やったことがなかったこと」。
人一倍に慎重な選手も、ここまできて背に腹はかえられない。
「もう、いっちゃえ」と思い切った。
練習場では思いの外、感触が良かったことも後押しした。
土壇場の決断が奏功した。後半15番からの3連続バーディを含む66で2位タイに浮上した。
用心深い性格でもあるから、「今日はたまたまいいけれど、本決まりじゃない」と、クラブも今回のものが“本命”というわけではない。
「今年の目標は成績うんぬんよりも、どのクラブが一番合うのかを決めること」というとおり、これからも試行錯誤は続くだろうが、ジャパンゴルフツアーは2戦目にして優勝争いに加わったことは、まずはひとつ好材料だ。
初日が雨天中止となり、54ホールの短期決戦。
決勝1日の最後の18ホールこそ、「失速したくはない。僕はシードを持っているわけはないから。まずはトップ10には入って落ち着きたい」。
早めの結果が、今後のクラブ選びにも大きな影響を与えるはずだ。