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〜全英への道〜 ミズノオープンよみうりクラシック 2010
2位タイの朴宰範もルーキー
「だからまだ、日本語が上手じゃなくて」。
通算8アンダーでホールアウトし、報道陣に囲まれた朴が、そう言って慌てて連れてきたのが、4つ上の先輩のH・T・キム。今季初シードの先輩プロの通訳に、一応は恐縮しきりで、「賞金の20%を払います」と殊勝に話したが、どこかひょうひょうとした雰囲気が朴にはあった。
「今週は、優勝と全英オープンが目標です」と、よどみなく言い切った。
プロ転向12年目の今年は、せっかく日本で本格参戦を果たしたものの、腰と肩、さらに首も痛めて開幕戦の直後にさっそく戦線離脱。
5月のダイヤモンドカップから復帰したものの、治療と平行しながらのプレーはいまひとつ本調子が出なかった。
しかし、先週まで2週間のオープンウィークの間にかなりの回復を見せて、「今週は絶好調なんです」。
この日2日目は2番のパー5で残り290ヤードの第2打を、ピン右8メートルに乗せてイーグルを奪うなど、2日連続の68をマーク。
1打差の2位タイで迎える決勝ラウンドに向けて、さっそくその気だ。
会場のここよみうりカントリークラブは、母国のコースと雰囲気が似ているそうで、「どのホールもとっても打ちやすいですし。チャンスは逃しませんよ」。
先輩の通訳を介しても、物怖じする素振りもいっさい見せず、ひょうひょうと言い切った。
※朴宰範(パク・ジェーブン)
1982年2月23日生まれ、韓国出身。13歳からゴルフを始め、高校時代にはオーストラリアにゴルフ留学。3年間、腕を磨いた。アマチュア時代の戦績に、韓国ジュニア3位などがある。
1999年にプロ転校。韓国ツアーでは昨年のレイクヒルズオープンの2位が最高。昨年の賞金ランクは17位で、これも自己ベスト。身長170センチ、68キロ。趣味はサッカー。好きなプロゴルファーは、この日通訳をしてくれた先輩に感謝と敬意を表して「H・T・キム選手です!」(・・・先輩の顔色を見て、結局本音は語らず)。