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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2010

石川遼は「雰囲気は最高です」

「アジアパシフィック パナソニックオープン」の今年の会場となる六甲国際ゴルフ倶楽部は長く成長したラフに加え、密度の高い芝質が特徴のティフトン芝がところどころ混じり、それがまた、難易度を増している。

「高麗芝と違って、すっぽりと沈んでしまい、ボールと地面の隙間がほとんどなくなるから本当に難しい」。

この日は22日(水)の練習日は、「特にグリーン回りのアプローチが鍵を握る」とふんだ石川は、ハーフ9ホールのラウンド中も、その対策に頭を悩ませていたが途中、ひらめくものがあった。

あれは5月のダイヤモンドカップ。第3ラウンドで回った市原弘大のプレーに興味がひかれた。
やはりラフからのアプローチの際、インパクトの瞬間にフォローを取らず、逆にヘッドを勢いよく後ろ側に引くしぐさを見せたのだ。

ラウンドが終わってから石川は、「どこであの打ち方を覚えたんですか」とさっそく質問をぶつけてみた。
日本はチャレンジトーナメントの賞金ランク5位の資格のほかに、アジアンツアーは昨年の賞金ランク13位でシード権を持つ市原は、「アジアも、ティフトン芝が多いんだけど、こうすれば強いインパクトでも、ボールがあまり飛ばない気がするよ」と、教えてくれた。

当時のことを思い出し、「今週は、ピンまでの距離が近いアプローチで使えそう」と考えた石川は、さっそく実践。何度も繰り返し感触を確かめて、「これだけ難しいラフでプレーするのはめったにないチャンス。新しいことを色々と試してみたい」と難コースにもむしろ、生き生きと目を輝かす。

初日、2日目は杉並学院高時代の2つ先輩、薗田峻輔と同じ組。3週前のフジサンケイクラシックではプレーオフ4ホールの死闘を繰り広げて今季2勝目をあげた。
敗れた薗田は、「今週はあのリベンジをしておきたい」と、ライバル心を剥き出しているだけに、それもまた楽しみな予選ラウンドになりそうだ。

また、今年は5ホールで計10カ所にギャラリースタンドが設置され、全合計3722の観客席は、まるで海外メジャーさながら。
「雰囲気は最高ですね。応援が多いほど燃えるタイプなので、皆さんに背中を押されていると感じながら頑張りたい」。
今年も賞金ランク1位で迎えるメインスポンサーの大会で、狙うは今季3勝目と、発奮材料はてんこもりだ。

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