日照時間の関係で、先週のコカ・コーラ東海クラシックから出場人数も減って予選ラウンドも午前・午後のスタートではなくなった。アウト・インのみの組合せはその分、ハーフターンでけっこう長めのインターバルが生じる。

まだ最終組のティオフが終わらないうちに、トップの組が上がってくるためだ。
アウトの６組目で回る石川が９番を終えた時点ですでに、前に５組がハーフターンを待っており、石川も１時間あまりの“休憩時間”を余儀なくされた。

「プレー中に、座るのは良くないという気持ちがある。本当はスルーで回るほうが、やりやすいが昨日も今日も、レストランに座って食事を取らざるを得ない状況には違和感があった」と、苦手意識を口にしたが、この日ばかりはその待ち時間が奏功した。

前半の９ホールは相変わらず好調のドライバーに比べ、アイアンにやや精彩を欠いてべたピンとはいかず、３〜５メートルのバーディチャンスをことごとく外した。
「パットで少し、頭が動きすぎていたと思う」。
ラウンド中に、専属キャディの加藤大幸さんとすでに確認済みだった弊害を、合間に修正する時間が持てた。

後半は、イーブンパーに終わった前半とはまるで別人のように、４つのバーディでスコアを伸ばした。

もともと今大会は一昨年の第１回以来、２年ぶりの出場に「モチベーションが高かった」。その上にこの２日間は、ライバル池田勇太と久しぶりの直接対決にも、気合いが入った。
この日の後半は池田も負けじとバーディ合戦に「素晴らしいプレーの数々を見せていただいた」と、ますます燃えた。「池田さんも、全然諦めていないと思うし、残り36ホールも気が引き締まります」。

また、今大会と同じ７日に、埼玉県の霞ヶ関カンツリー倶楽部で開幕した「アジアアマチュアゴルフ選手権」。勝てば来年のマスターズの出場権が得られる同大会で、２日目に杉並学院高２年の後輩、浅地洋佑くんが１打差の２位と健闘している。

この日はきゅうきょ石川も会場に駆けつけ、各国のトップアマの前でスピーチすることになっている。「“一緒にマスターズへ行こう”とは、言わない。僕が出られなかったらカッコ悪いから」と笑わせたが「僕のメッセージが洋佑にも届けばいい」。
石川自身も日曜日のアベックＶへ。自ずと気持ちは高ぶってくる。

そしてさらにもうひとつ。石川が素早く反応したのが報道陣からのこの言葉だ。「関東では未勝利だと思うのですが」。
「そうでしたっけ･･･」と、たちまちにやけた。
言われてみれば、“地元”での優勝をまだ経験していない。

ツアー通算８勝のうち３試合が関西という現状に、わざわざ大阪弁を使って表現した。「これまでは、“遼くん、おめでとう”というイントネーションを聞くことが多くて」。最後は“”の中身を東京弁に戻して「関東のみなさんからの“おめでとう”も聞いてみたい」。
今週はいつにもまして満載の発奮材料に、「頑張らなくっちゃ！」と、やる気は高まるばかりだ。

• 石川 遼
• 加藤 大幸
• 池田 勇太