２位と３打差でスタートしたこの日３日目はふいに沸いた邪念にやられた。ショットは相変わらず「調子が良かったのに」。和合名物の強い風と、グリーンの難しさと、優勝争いと。
それらが次々と襲いかかって、「つい、余計なことを、考えてしまった」という。

２番から連続ボギー。さらに４番でダブルボギー。
一気に貯金を吐き出したことも、拍車をかけた。

「風の中で、球を抑えたいから体重移動を変えてみようとか、ここでバーディが欲しい、とか･･･。いろんなことを考えて、素直にプレーが出来なくて。感情が入ってしまって、流れに乗り損ねた」と、反省しきりだ。

「スイングも、変えたことが悪いほうに行ってしまった。下手ですね」と、つい自嘲の笑みもこぼれ出る。

それでも、１日に２つもダブルボギーを打ちながら、堪えられたのは我ながら評価出来る。
「あのままズルズルといかなくて良かった」と、１打差の２位タイに最後に浮かべた安堵の笑み。

名古屋商科大時代から慣れ親しんだコースで、「ナイスとか、言ってもらえれば嬉しいし、頑張れる」。地元ファンの熱い声援もパワーに変える。
「感情を入れずに、明日は頑張りたい」。最終日こそ、無心でやる。

• 上井 邦浩