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SRIXONチャレンジ 2010
親父と二人三脚で掴み取った初優勝。次はツアートーナメントだ。
17才でプロゴルファーに。ルーキーイヤーの2008年には三菱ダイヤモンドカップゴルフで予選ラウンドを終え5位タイ(最終順位は51位タイ)、有田東急 JGTOチャレンジ Iでは初日トップタイスタート(最終成績は39位タイ)と光り輝くところはあったものの、プロの厚い壁に跳ね返された。
2009年にはチャレンジトーナメント開幕戦のNovil Cupでほぼ優勝を手中に収めながらプレーオフで敗れて出鼻をくじかれ、ツアートーナメントでも12試合に出場して予選通過は4試合とプロ2年目も結果をだすことが出来なかった。
そして迎えたプロ3年目の今年、前粟蔵は大きな決断をした。
中学を卒業してから、石垣島を離れ、ゴルフ部の監督、ティーチングプロに指導を受けたが、原点に戻り、親父がいる石垣島に拠点を戻し、小・中学生の時のように父と二人三脚で新たな道を歩み始めた。
「本土にでてきて、いろいろ勉強してスイングも綺麗になったんですけど、自分の中身が無くなってしまっていた。早くにプロ転向して、親に連絡しなくなったりとか天狗になってしまっていたところもあった。それで今年の1月に、僕の帰るところ、居場所はここしかないと思って、親父の所に戻りました。
親父は今も昔も僕の全ての事が分かっているし、親父のそばにいると、親父の全てのことが勉強になるんです。試合に出場して、親父の所にかえると、自分の悪いところのチェックと、自分の良いところをすぐに見直すことが出来るんです。すごく安心感があります。
今週は、プロになってはじめて自信を持ってプレーすることが出来ました。これまでは周りをみたり自分のプレーに自信を持って集中してプレーすることが出来ていませんでした。これまでチャレンジでも何回か優勝争いをしてきましたけど、その時に、今の気持ちがされば結果は違ったかなと思います。
でも、だからこそ、今週、優勝して親父を安心させてあげたかったんです。」
プロゴルフ界には石川遼、宮里3兄妹、横峯さくらなど親子鷹の選手が多く活躍している。
決してティーチングプロでなくても、親は子どもの頃からずっと見守ってくれているので、わずかな違いすぐに分かってくれるという。
さぁ、これからの舞台はツアートーナメント。まずはSRIXONチャレンジ優勝の資格で手にしたコカ・コーラ東海クラシックで活躍を期待したい。