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VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント 2011

石川遼は「優勝出来なければ何位でも同じ」

久しぶりの池田(右)との同組対決にも心を燃やした石川だった
ムービングデーの3日目は、「自分でスコアを動かしていく」。まして、大会は例年ハイスコアの戦いに、「相手が崩れるのを待つコースじゃない」と、改めて言いきかせて出ていった。

気温32.1℃を記録したこの日の暑さ以上に燃える心をライバルの存在が、さらにたきつける。決勝ラウンドでは約1年ぶりとなる池田勇太との直接対決に、「燃えるものがあった」と、石川は言ってはばからない。
「普段から意識している選手ですから」。

そこに中堅の矢野東が加わって、「組全体が、すごく良い緊張感でプレー出来たと思う」。ピリっとした空気の中にも「自分の世界でリラックスして出来た」という石川は、序盤から躍動した。

「ボールに当たるタイミングにばらつきがなくなってきた」と、ここにきてにわかに安定感が出てきたショット。
先月の大会で、ジャンボ尾崎の命を受け、調整を続けてきた。
「以前はテイクバックを上げてから、こう下ろしてとかいろいろ考えることも多かったが、今はそれもあまりなく、体に染みついて来ていると思う」と、日頃の血のにじむような練習の成果が確かに出ていると、実感出来た前半の9ホールだった。

「でも後半は、ティショットが乱れてそれが課題」と、16番では左に曲げたことから大ピンチに。
出しただけの3打目は、115ヤードをアプローチウェッジで「抑えて打とうとしてミスをした」。13メートルも残ったパーパットはしかし、勢いよくカップに沈んだ。

「久しぶりに気持ちが入った」と、ガッツポーズも飛び出した。3番でも2メートルをしのぐなど、昨年のカシオワールドオープン2日目以来となるボギーなしのラウンドは66で、優勝争いに加わった。

スタートの遅延と競技中断が重なった前日2日目の第2ラウンドは、夕方7時前までかかったが、長い1日もへっちゃらだ。
すでに多くのメジャー経験がある19歳は、「海外は陽が長い。全英オープンでも夜9時半までプレーするのは当たり前。経験するうちに、体も慣れた」。
うだるような暑さに、昨夏は食欲が落ちた時期もあるが、鍛え上げた体はもう、そんなにやわじゃない。

今季未勝利ながら、賞金ランクは3位につけるが「優勝出来なければ何位でも同じ」と、いまは頂点しか見ていない。
この日コースに残してきた課題。「明日はたとえ前半で伸ばせなくても、5つ6つは伸ばせるバックナイン。そういうプレーをしないと優勝争いは出来ません」。
最終日こそ、真夏の芥屋で尻上がりのゴルフを見せる。

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