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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2011

2011年の賞金王は韓国の裵相文(ベサンムン)

2011年のジャパンゴルフツアーは、次週の最終戦を待たずして、賞金王が決定した。韓国の雄はこのカシオワールドオープンを前に、そのとき賞金ランク2位の石川遼と6400万円以上の差をつけて、アメリカへと旅立っていった。

裵相文(ベサンムン)を抜くチャンスがあった選手は、石川を含めて6人いたが、いずれも今大会を含む残り2戦の連勝が条件とあらば、もはや裵(ベ)の一人勝ちだったと言っても過言ではない。

今大会前に賞金ランク7位につけていた久保谷は2日目に棄権をして早々に脱落し、同6位だった武藤は先週ダンロップフェニックスに続いて2連勝を狙ったが、27位に終わって「情けないです」と、肩を落とした。

5位の近藤共弘は最終日は29位タイからのスタートに「今日は最初から優勝は難しいと思っていた」と、はやばやと白旗を揚げて「来年以降にそのチャンスが来るように」と、前を向いた。

小田孔明は、賞金ランク4位で迎えた今大会。初日から「絶対に勝つ」とエンジン全開で挑んだが、7位で終わるので精一杯。「仕方ない。誰も裵相文(ベサンムン)に勝てなかったということです」。

谷口徹は最終日に76を打って、46位タイに終わった。敗者は男らしく言い訳も、弁明もせずに黙ってコースを後にした。

賞金ランキングは2位で高知入りした石川遼。逆転賞金王にもっとも近く、またかかる期待も人一倍だった。しかし本人は、すでに初日に「こういう状況に追い込んだのも自分自身。今までの二十数試合でもっと良いプレーが出来ていたら、こういう状況にはならなかった」と、もはやこの期に及んでジタバタはしなかった。

いつものように、目の前の1打に全力を尽くしたが、それでも11位に終わって「最終戦までいけないのは悔しい」。

最終日は68と、この4日間でもっともスコアを縮めて「今日は良いゴルフが出来たので来週は楽しみ」と、せめて次週のツアー最終戦で今季初Vを狙っていく。

そして裵(ベ)は、嬉しい一報を海の向こうで聞いた。来季の米ツアー参戦を目指して予選会のファイナルQスクールに挑戦。大差をつけての渡米にはひそかに自信はあったものの、ゴルフは何が起きる分からない。
「毎日インターネットで、みなさんのスコアをチェックしていました」と、その心境を明かした。

母国の韓国ツアーは2009年に2年連続の賞金王に輝き、そして今年はこうして日本でも悲願を達成して、改めて「今年は自分にとって、本当に完璧な1年でした」。

8月の「VanaH杯KBCオーガスタ」で日本ツアー初Vを挙げると、10月には「コカ・コーラ東海クラシック」と「日本オープン」で、あっという間に3勝した。

「ずっと調子は良かったので、4勝目をあげることもできるかなと思っていましたが」と残念がったとおりに、そのあともマイナビABCチャンピオンシップで河野晃一郎とプレーオフ6ホールを演じるなど、今季の優勝シーンには常に裵(ベ)ありと言っても過言ではない。

「今年の活躍も、温かな声援を送ってくださったファンのみなさん、またジャパンゴルフツアーに関わるすべての皆さんのおかげです」と、海の向こうから改めて感謝を寄せた。

昨年の金庚泰(キムキョンテ)に続いて、2011年のジャパンゴルフツアーは、裵相文(ベサンムン)が韓国勢として、史上2人目の賞金王に輝いた。また、外国人選手の賞金王獲得は、1987年のデービッド・イシイから数えて史上3人目の快挙だった。

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