Tournament article

つるやオープンゴルフトーナメント 2011

矢野東は「今年はある」

最初の中断は13番で、5メートルのパーパットを残していったんコースを引き上げてきた矢野は、クラブハウスのロッカーで、たっぷり仮眠を取って、パワーを温存。

そして競技再開の16時46分は、その1時間前に練習場での打ち込みで、キレ味鋭いショットを連発した。

2008年の年間2勝を最後に、見放されたままの勝ち星。
「技術、精神面、すべてにおいて、いいゴルフをする選手が勝てる。強くないやつは勝てない。ただそれだけのこと」と、冷静に自分を見つめ、「現状に満足することなく、もっともっと、ゴルフがうまくなりたい」。
その一心から内藤雄士コーチと、昨年末から取り組んできたスイング改造が、早くも実りをみせている。

「いちどゼロにして、グリップから、スタンスから何から何まで変えた。それがこんなに早く、いい形になるとは」。
ホールアウトした選手の中では、最上位の暫定2位タイ浮上。
さっそくこのジャパンゴルフツアー第2戦でその効果を実感できた。

「精度も上がっているし、ドローもフェードも両方打てる。すべてにおいて良くなった」と、目を輝かす。
「今年は自信がある。明日も間違いなく伸ばすと思う。やりますよ、今年は」と、言い切った。

この日は最初の競技中断時点で、近藤共弘と星野英正、そして矢野がスコアボードの上位にひしめき、大学時代からしのぎを削る1977年生まれの“3強”が揃い踏み。

ここ数年は矢野自身の不振に足並みを揃えるように、近藤は深刻な足裏痛、星野は極度のアレルギー症状に苦しみ、これまた揃って2008年のあと勝てず、「30代は元気がない」と言われ続けてきただけに、今度は揃って復活の期待が集まる。

「つらかったと思う」と、他の2人の同級生の体調を気遣いながら、「30代は(ゴルフで)一番良い時期とも言いますから」と頷いた矢野。2011年はもういちど、この3人でブレークしたい。

関連記事