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〜全英への道〜ミズノオープン 2011
諸藤将次が”トルネード旋風”を巻き起こすか
2009年は、ツアーの出場優先順位を決める予選会・クォリファイングトーナメントのセカンドステージの会場も岡山県の、ここJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部だった。
「やっぱりインコースで爆発して、ギリギリ予選を通過して」。
そんな経験もあって今大会が5年ぶりに、この地に帰ってくると分かってからは、開幕前から開催が楽しみだった。
全英オープンの日本予選最終戦でもある今大会で、思惑どおりの好発進に、「イギリスですねえ。そりゃあ、行ってみたいというのはありますが。僕なんてまだまだ」と、謙遜したのも無理はない。
300ヤードを優に越える飛ばし屋だが、シード権はおろか2008年からは出場権すらままならない状況に、その才能を生かす場所もなかった。
ようやく、表舞台に出てきた今年。
昨年のファイナルQTでランク6位と好位置につけて、今季前半戦の出場権を確保した。
「まずはシード権をどうにかしないとという状況なのに、全英なんてまだまだ」と、首を振る。
同期の池田勇太とは、ジュニア時代から競い合った仲だが、プロデビューは諸藤のほうが先だった。アマチュア時代のタイトルは、数知れず。沖学園高3年の時に出場した久光製薬KBCオーガスタでは、アマチュアとして大会史上初の予選通過を果たしたばかりか、会場の芥屋ゴルフ倶楽部の18番パー5で、386ヤードのビッグドライブを披露して、その週のドライビングディスタンスで並みいるプロを押しのけて堂々1位に。
鳴り物入りで名門・日大に進んだが、「アマチュアとしてやり残したことはない」と、2年で中退して一足先に、プロの道を歩み始めたのだが・・・。
「いまは勇太のほうが、ずっと前に」と、苦笑する。昨年は2年連続で、最多の年間4勝の偉業を成し遂げた池田。「せめて同じくらいは行きたい」と、目標にしている。
そのための技術力はついてきた。大学1年から、名トレーナーの大川達也さんに師事を受け、「体力がついて、飛んで曲がらない。ショットの安定性が出てきた」と、その効果は絶大だった。
また、その縁で元メジャーリーガーの野茂英雄さんとも知り合った。引退された今も日々トレーニングに励む野茂さんの姿を見ているだけでも刺激があるが、オフに一緒にラウンドした際は「普段から、もっとイメージトレーニングを」と、勧められて開眼した。
「野茂さんは試合のときいつも、朝起きてから、試合終了までのすべての行動を前の晩にあらかじめイメージしておくんだと。だからどんな大舞台でも緊張しないで臨めると。僕もそうやって徐々に自信をつけていきたい」。
最終日の優勝争いもさっそく、今からイメトレする?!