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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2011
タイの“遼クン”が奮闘・・・!!
舌を噛みそうな名前に、ついたあだ名は「JAZZ(ジャズ)」。最終日は石川遼を、彷彿とさせる(?!)真っ赤なウェアで、伸び伸びプレー。難コースで通算13オーバーにも「僕には勉強することがまだまだあるので」と笑った。あどけない笑顔には、初めての日本で決勝ラウンドをプレーした充実感に溢れていた。
獲得賞金がアジアと日本の両ツアーに加算される今大会は、主催者推薦を受けての来日だった。8歳からジャズにゴルフの手ほどきをした父親と、コーチのポールさんをお供にはるばると、やってきた。
ジャズの将来性の高さに注目が集まったのは、昨年2月だった。「アジアンツアー・インターナショナル」で、史上最年少の14歳71日で予選通過を果たして、その年同じく最年少でのプロ入りを決意した。
デビュー戦の「キングスカップ」も、44位タイに入る活躍で、「タイの遼クン」と呼ばれるように。本人も「目標は遼クン」と、言う。2007年に、石川が史上最年少優勝を達成したニュースを知ったその日から、憧れの人になった。
今年1月のアジアと欧州の対抗戦「ザ・ロイヤルトロフィ」のプロアマ戦で石川と回ってからは、そこに尊敬も加わった。
「ゴルフのマナーや、メディアの受け答えなどが本当に素晴らしい」と、その生き様まで参考にしている。来季は石川と同じ舞台を求めて、出場優先順位を決めるクォリファイングトーナメントに挑戦。さきごろ行われたセカンドステージを3位で通過し、石川にさらに一歩、近づいた。
次は11月のサードQTに備えて、日本語も勉強中。日本食も、焼き鳥や焼き肉にもトライして、今のうちに馴染んでおこうと懸命だ。日本の漫画も大好きで、「ONE PIECE」は自宅の本棚に、全巻並んでいるという。
「いつかマスターズで優勝したい」と、将来の目標も石川とかぶる。学校に通いながらの両立は大変だが、近ごろようやく身長170センチを超えたというその体は、夢と希望で一杯だ。
前週には、16歳の伊藤誠道くんが大活躍したばかり。“遼クン”の後継者候補たちはいま、国内外で続々と才能の花を咲かせている。