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ANAオープンゴルフトーナメント 2012
谷原秀人は「良くても、悪くても、今週は胸を張って歩く」
本当は、前半5つのバーディを取っても「そこまで嬉しくない」。だがうつむくと、余計に落ち込む。
だから15番で、フライヤーした第2打を、奥の16番ホールまで打ち込んだが、強いて笑顔を作るようにした。
「そしたらきっと、何かが変わる気がして」。
スポーツ紙に、名指しで批判を受けたのは、2週前のこと。最終日の18番は大観衆の待つ中を、選手はアナウンサーに名前を呼ばれながらグリーンに上がる。
普通なら、手を振って拍手に応えたいところだが、その日はオーバーパーを叩いた自分にむかついていた。
歓声に応えるポーズを怠った。
「毎週、見ていてもらえれば分かると思うんですが、いつもではないんです」。
しかし、たまたまその一回が、けしからんという記事になった。
「申し訳ないな、と自分でも思う。だけど、上手くいかないときもあるし、自分に対して怒っているときに、ニコニコ挨拶するのも難しい。僕は良い子ちゃんじゃないので」と、反論したい気持ちもあったが、同時に「ありがたい」という思いもあった。
「それだけ注目されているということかな、と。書いてくださるというのもありがたい」。
批判も甘んじて受け入れることにした。
「悪くても、見ている人がいる限り、ちゃんと挨拶しないといけないな、と」。
そんな思いもあって今週は、どんな時でも背筋を伸ばして前を向いて歩こうと決めている。
幸い、今週から登用したドライバーは、「捕まりがよくなって、イメージ通りに振れている」。好材料も揃ってきた。33歳の改心が、吉と出るか。