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コカ・コーラ東海クラシック 2012

大会2勝目での今季初Vを狙う、石川遼

開幕を翌日に控えて、柔らかな笑みが何度もこぼれた。この日は水曜日のプロアマ戦でチームを組んだのは、北島康介さん。「世界の頂点に何度も上り詰めた方。尊敬してますし、目の前にするとお〜っとなります」と初対面の昨年から久しぶりの再会も、「だけど堅い雰囲気は一切なくて。すごく優しくて、いつも笑いかけてくれる気さくな方」。

つられて石川も、笑っていた。
「これがプールですとね。きっと全然違うんだろうな、と思う。4年に一度のオリンピックで金を獲るということを目指してね、一度獲ってもまだ上を目指して。プールでお会いしたことはないけれど、きっとプールだとスイッチが切り替わるのだと思う」。

しかし、ゴルフ場ではチョロを打って「やべえ!」と叫び、それでもアプローチやパターではトップアスリートならではの勘の良さをひらめかせる北島さん。
どのシーンもとてもお茶目で「今日は6時間以上も康介さんとコースにいましたけど、本当ならそんなに長く一緒に過ごせるわけもない人。ゴルフならでは」と、思うにつけても、石川はこの貴重な時間を味わい尽くした。

「水泳も、焦ると上半身の力で泳いでしまう、って。焦れば焦るほど、前に進めないけど、良いときは体感スピードが凄く速くて、すいすいと泳げるんだ、と。そのへんはゴルフと一緒」と、平泳ぎの名手との他愛もない会話から、ゴルフとの共通点も見いだした。

「康介さんは、こんなに歩くことはまずない、と。普段はいつもプールにいるから。でも今日は重力を感じて、だんだん体が重そうでした」と、あとで北島さんの様子を思い出すにつけても、つい笑みが出る。

「康介さんからは、本戦の激励も特になかった」と、それがまた石川の心を和ませ、自然と体も気持ちよく動いた。
この日は、ティショットで一度もフェアウェイを外さなかった。
今年の三好は、場所によっては200ミリにも到達しようかという深いラフも、「今日はドライバーを打てばフェアウェイという感じで、一度もラフから打っていない」。

もちろん、試合が始まれば、毎日そのようには行かないが「ラフに入れればひとつ、ペナルティを打つ気持ちで、サンドウェッジで出せばいい」と、肩肘張らずに三好を攻める。
「この大会は3年前にも優勝してイメージは良いので」。大会2勝目の今季初Vにむけて気持ちも上がる。

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