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日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills 2012
注目の三人衆は同期の桜、22歳に期待!!
その中でも一歩先ゆくのは、薗田だ。明治大(当時2年)に在籍しながら、プロ転向を果たしたのは2009年の12月。翌年のデビューから5試合目に達成したミズノオープンよみうりクラシックでのツアー初優勝は、JGTO発足後としては最速のV記録であった。
また、学生プロの初Vは、やはり2008年の同大会で達成したドンファンに次ぐ、快挙だった。
弱冠二十歳の大記録は、まだ破られていない。
そしてその記録更新に、もっとも肉薄したのが今年ルーキーの藤本だった。
東北福祉大の最終学年だった昨年のうちにプロ宣言。いきなりその名を知らしめたのが今季、デビューから3戦目の「とおとうみ浜松オープン」だった。
3日間、首位を走り続けて、薗田を抜く最速Vは目前だった。
最終ホールでJ・チョイに逆転負けを喫してチャンスを阻まれたが、デビューからわずか3試合でさっそく初シード入りに当確ランプを灯し、さらに翌週のダイヤモンドカップでも6位タイの活躍で、スター街道をばく進中!!
身長は165センチと小柄だが、鍛え上げられた肉体から繰り出す豪快ショットは迫力満点である。
コースで目標を見据える鋭い眼光とは対象的に、専属キャディの前村直昭さんとの二人三脚の合間に「くだらない話」(藤本)で垣間見せる笑顔は、愛嬌たっぷりである。
「目標は優勝」と、きっぱりと言い切る小気味よさは、アマチュア時代から変わらない。しかも「今年は2勝以上」との大きな野望を、もうすぐにでも実現させてしまいそうな躍進ぶりで、初出場のこのツアープレーヤーNO.1決定戦でも台風の目になるであろうことは、想像に難くない。
そしてそんな同期2人をいま、懸命に追いかけているのが、小平(こだいら)だ。
まだアマチュア時代の2010年に、レギュラーツアーの登竜門・チャレンジトーナメントの「鳩山カントリークラブ・GMAチャレンジトーナメント」でプロを押しのけ優勝するや、せっかく進んだ日大も、あっさりと辞めてしまった。
その脳裏には、薗田の活躍があった。
「俊輔には負けてられない」と、プロの世界に飛び込んだのは昨シーズン。初シードには一歩届かずも、今年はファイナルQTランク18位の資格で再挑戦。
しかも3週前の日本プロでは薗田の、さらにその翌週のとおとうみ浜松オープンでは藤本の、優勝争いを見せつけられればますます、「僕も頑張る」と、気合いが入っている。
「僕も若さを出してがんがんに攻めていく」と、一歩先ゆく同級生の背中をにらむ。
22歳の同期のさくら。三人衆が宍戸の森で、真価を示すか。