Tournament article
サン・クロレラ クラシック 2012
塚田好宣(つかだよしのぶ)が首位キープ
タイランドをこよなく愛する同窓生を表して、「彼は熱帯地方の人だから」と佐藤は言ったが、確かにこの日2日目は北海道らしからぬ猛暑のプレーも、塚田は生き生きと上がってきた。
前半こそ伸び悩んだが、これまた確かにへこたれなかった。タイ選手で大親友のプラヤド・マークセンから教わったというパッティングが板についてきた。
「クロスハンドで握ってボールを左に置いて、押し出すような感じで」。
それが本当に好調の要因か。「まだよく分からないけど、入り出すと入るから。たぶん、それがいいんでしょう」と半信半疑ながら、後半は2番で歩測にして「9歩」の長いバーディトライを決めて、波に乗った。
続いて、3番では4番アイアンの残り215ヤードが「入りかけ」。カップまでわずか1センチのあわやイーグルに本人が一番、目を剥きながら、4番でもこれまた下りの10メートルをねじ込み3連続バーディだ。
1994年に豪州でプロ転向を果たして以来、アジア各国を転々としてきたが、どのツアーでも勝利の美酒をまだ知らない。
「優勝するってどういう感じか。よく分からない」と、大会を首位で折り返して未知の世界に胸を躍らす。
そして、小樽で迎えた絶好のチャンスにもうひとつの“ノルマ”も視野に入れた。
2005年に初シード入りを果たしたものの、出たり入ったりと忙しく、またボーダー線上を行ったり来たりで今も、シード権を失ったままだ。
「いつもギリギリで年末を迎えて、“あのときの1打が”と、後悔するので。今週は1打を大事に」。3年ぶりのシード復活のためにも、悔いのないプレーを誓った。