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つるやオープンゴルフトーナメント 2012
昨季のQT1位!! 李京勲 (イキョンフン)が3位タイ浮上
翌年の出場優先順位を決めるというシビアな戦いは、まして6日間という長丁場に、そこでランク1位に輝いた選手というのは確実に何か持ってる。
歴代の1位者をあげれば分かる。
たとえば、2000年の近藤共弘や2002年の谷原秀人の現在の活躍は言うまでもなく、極めつけは2003年。
その年、QTランクの1位に輝いた韓国のY・E・ヤンは、まさに“原点”からスター街道をのしあがっていった選手の一人である。あのタイガー・ウッズと争って、メジャー初制覇を果たしたのは2009年の全米プロ。
毎年、QTの最上位者から目が離せないのは、そんな背景がある。
今年は韓国の李京勲 (イキョンフン)が1位になった。オフは、主にワンアジアツアーで腕をならして先週はいざ、日本での“デビュー戦”。
「良いスタートを切りたい」と、気合いが入りすぎていた。71位と大きく出遅れた初日から、なんとか盛り返して予選は突破したが、伸び悩んで39位に終わった。
そして今週もまた、初日に81位。
「先週に緊張しすぎて、疲れてしまった」と、体が凝り固まっていた。
さっそくツアーに帯同するフィットネスカー「プレジャー」に駆け込み、マッサージを受けてリラックス出来たのが良かった。
また、初日はホールアウト後に、マネージャーの伊井祥訓さんの指摘も良かった。
「パットのときに、まっすぐ立てていないよ」と言われて息を吹き返した。
「私のアドバイスなんか」と、伊井さんは謙遜するが、元女子プロの見立ては正しかった。2日目は64、そしてこの日は66とうなぎ登りの回復を見せて、とうとう3位タイまで上がってきた。
今週もバッグを担ぐ父・サンムーさんの手ほどきで12歳からゴルフを始めて、アマチュア時代はナショナルチームの常連。
2010年のアジアアマのメダリストは、「僕もロリー・マキロイや石川選手のような活躍を」と、昨年のQT受験を機に、21歳にしてプロ転向を決めた。
今週、計測中のドライビングディスタンスは3日間平均300.50ヤード(7位)を記録している豪打もさることながら、「パットも得意」とそつのない選手だ。
デビュー元年にして初優勝、そして先輩の裵相文(ベサンムン)や、金庚泰(キムキョンテ)のように、一足飛びに日本の賞金王、との夢も膨らまないではないが、焦らない。
「まずはシード入りを目標に経験を積みたいと思います」と謙虚に、上を目指して歩く。