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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2012

石川遼は12位タイ浮上

初日は69位タイからの巻き返しを誓ったこの日は「冷静であり、燃えるものもあり、高ぶるものもあり、リラックスもあり。すべてがバランスの良い状態」。

1番で、ボギーの出だしも冷静に立て直した。前日初日はホールアウト後の打ち込みで、出遅れの一因にあげていたアイアンショットの修正に励んだ。
「アドレスで若干、左を向き気味だった」と気がついたら、本来の冴えが戻ってきた。

次の2番の第2打は「右が5ヤードしかなくて、しかもあごの高いバンカーがあって、昨日の自分のアイアンなら、良いパットをしても、なかなか入る位置ではない左5メートルに乗っていた。もう逃げていくようなショットは打ちたくない」。
8番アイアンを握って、ピンをデッドに狙った。
1メートルにつけてバーディを奪った。

「やっぱり、ピンに打っていく技術がないと、これからどんなコースでやっても通用しない」と改めて痛感した場面だ。
「昨日は置きに行って、崩していた。振り切ったほうが、安定していると改めて気がついた」と、それからは攻めの一手で一気に7つのバーディを重ねていった。以前の持ち味を発揮して12位タイまで上がってきた。

65をマークしてなお、ホストプロとしての反省が覗いたのは、17番で連続バーディを奪って迎えた最終18番だ。
右のラフに入れたパー5のティショットは前の木に遮られて、3打目は刻むしかなかった。まずはフェアウェイへの脱出に「ナイスショット!」とのかけ声にはなおさら「申し訳なかった。こんなつまらない攻め方で。やっぱり最後まで楽しんでもらいたかった」。

アプローチも寄せきれずにパーで終わって平凡な締めくくりに、「あれが最終日で追いかける立場なら狙ったと思うが、1打リスクを負うこともないと思って」と、一応は弁明したが、もっとも人が集まる上がりホールでこそ数々の軌跡を起こしてきた21歳にとっては、やっぱり物足りない。

「自分でブレーキを踏んで、ゆっくりとゴールした印象になってしまったけれど。明日から3日目。また違う2日間が始まるのでギャラリーのみなさんに楽しんでもらえるようなプレーがしたい」。

恩返しの週末こそ最後の最後まで、アグレッシブな“遼チャージ”を約束した。

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