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キヤノンオープン 2012
伊藤誠道くんがホールインワン! 戸塚で初のベストアマチュア賞も獲得
「毎年、推薦をいただいて出させていただいているキヤノンさんに、やっとお返しができた」。17歳の恩返しはそれだけにとどまらなかった。
さらなる上昇を誓った最終日。後半の5番パー3(196ヤード)だ。
「風が右からで、ピンも右。ぶつけてやろう」と強気で握った6番アイアンは「手前に落ちたのでナイスバーディだな」と、確信したティショット。
やにわに辺りがざわめいた。
「それで入ったと分かった」。
手前からバウンドしてカップに消えたという。
海外でも経験豊富な杉並学院高校の2年生は、中国での大会で練習ラウンドで経験したことはあるが、ツアーでのホールインワンは「人生初」。
実は、中1で初めて出たトーナメントもこの大会だった。
「まさか、ここで達成できるとは!」。
まして、85年以降で言うなら尊敬する先輩の快挙も大幅に塗り替えた。
2008年に、石川遼が「アジアパシフィック パナソニックオープン」で19歳と8日に樹立した。史上最年少のホールインワン記録を更新した(伊藤くんは17歳と1ヶ月30日)。
そのあと少々、浮き足立った。
前半は15番でもチップインのバーディを奪い、2番でもまた「手前20ヤードの花道からPSでチップイン」。
1日3度の“0パット”に、2度のイーグル。
「どうやって打てばいいのか分からなくなった」と、逆に平常心を欠いた残り4ホールは林や土手を渡り歩いてどうにかパーセーブの67に、ほっと胸をなで下ろす。
この日、同じ組で回った矢野東。
「今週は練習ラウンドでご一緒してもらって。今日も一緒で緊張せずに、楽しくやれた」と感謝した。「やっぱり矢野さんはかっこいい」と、憧れを強くした。
来年の出場優先順位を決めるQTは、来月にサードを控えているが「いま調子が良くない。あと1ヶ月もないのでなんとか調整しないと」と、少々焦りもあるだけに、この日のスコアは自信になる。
「今週は4日間ショットが最低の中でも、今日が一番良かった」と、近い将来に向かって明るい兆しも見えてきた。