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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2012

深堀圭一郎が「やっと表舞台に戻れる」

1打差で破れはしたが43歳の大健闘は、勝った谷口同様に、いまもっとも元気なアラフォーの存在感を見せつけるには十分だった。
まして深堀は、足の裏の怪我からの復帰元年。そのわずか4試合目にして、メジャー舞台での優勝争い。

選手人生をかけてメスを入れたのは、昨年2月だった。「手術したときは、ここに戻ってこられるかも分からなかった」。リハビリを重ね、ひとまず傷は回復したとはいっても、ここ烏山城はどこまで行ってもきつい傾斜の連続に、「昨日の後半から足に来ていた」。
しかも「緊張感のある中で、回り続けるのはきつかった」。

そんな葛藤を、20代のころからちっとも変わらぬさわやかな笑顔でひた隠しにして、最後まで谷口を追い詰めたのが深堀だった。
「良く上がり崩れずに出来たかな」。

17番では深堀の歩測で「15歩」もある長いバーディトライを沈めて、1打差で18番を迎えた。プレーオフがかかった第2打は、2段グリーンのこぶのもう10センチほど右サイドをとらえていれば、ボールは下り傾斜を利用して、ピンに寄っていったかもしれなかった。

不運なキックはグリーンの外に弾かれた。パーに終わって、ひとつ後ろの最終組でやってきた谷口の、ボギーはもはや期待もしていなかった。ひとつ上の先輩のゴルフは長年、そばで見てきて知っている。
奥からの長いバーディパットはいちいち見なくても分かる。「谷口さんの技術なら、必ず2パットで決めてくるので。やっぱり、さすがですね」と、惜しみのない賞賛を贈った。

2003年には、やはり栃木県の日光で行われた日本オープンで、5打差の大逆転V。「あのときの会場もこちらのほうで、今年も何か起きるかもしれないと思ったけれど」と、このプロ日本一決定戦での復活Vを逃した未練も少し。
それ以上に、「やっと表舞台に戻れるきっかけが作れた」との充実感は大きい。

手術後も、「あなたはまだきっとやれる」と励まし続けてくれた家族にも、「これらからまだまだ戦う姿を見せなきゃいけない。僕のゴルフ人生も、まだまだ続く」。復活へのVロードにいま、くっきりとひとつの道筋がついた。

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