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東建ホームメイトカップ 2013

上井邦浩がアルバトロスを達成【インタビュー動画】

ギネス男がまたやった。この日7つスコアを伸ばして迎えた17番。518ヤードのパー5は、ピンまで残り195ヤードのフェアウェイ左サイドから、6番アイアンを握った。「キャリーで、180ヤードくらいのところに落とせば寄るだろう」。クラブをカット目に入れて、手応え十分。
「よし、と思って眺めてた」。
手前で3回ほど弾んだあとボールはスライスラインを描いて、あれよあれよと吸いついて・・・。

「入っちゃったよ!!」。
ガッツポーズで、同組の選手たちと歓喜のハイタッチもつかの間、次の18番では2メートルのパー逃しにやや「テンション下がった」と、口をとがらせたがコースレコードタイ記録は、自己ベストの62でやにわに単独首位浮上だ。

「確かに、運はある。でもそれをまだ生かせてはいない」。

あれは2010年の「VanaH杯KBCオーガスタ」。初日と、やはり3日目に8番ホールでホールインワンを達成した。同一大会の、同一ホールでのホールインワンは、世界初の快挙として、ギネスブックに刻まれたほど。
最終組で迎えた最終日は、悲願のツアー初優勝を期してスタート。

しかし、序盤で早々に躓いて、5位に甘んじた。

名古屋商科大学は、3年の文部大臣杯で、2日目にやはりアルバトロスを達成したが「あの試合でも、勝てなかった」と振り返る。期待の新人として、2005年のデビュー時から「いまもっとも優勝に近い男」と言われ続けて、早8年がたつ。

「昔は勢いだけでやっていたところがある。技術とかも足りてなかった」。あれから幾度も優勝争いを経験して「多少は技術も上がってきて、ちょっとは頭を使えるようになりました」。

兄弟子から受ける刺激も大きい。
昨年、賞金王に輝いた藤田寛之。今年2月には、その祝賀会で弟弟子としてステージに立って、お祝いの言葉を述べるつもりがつい、宣戦布告をしていた。
「同じプロとして、刺激を受けているだけではだめ。追いついて、抜かしたい」。言ったからには、この好機は逃せない。

出身の大阪から名古屋に移り住んで12年。ここ東建多度カントリークラブ・名古屋は、車で40分ほどの自宅通勤も「嫁は実家に帰っているから」。今年3月には「インドネシアPGA選手権」の初日の28日に、三男・琉太くんを授かったばかりだ。
「今度こそ、運を生かせるように頑張る」。
家族が留守の間にとっておきの出産祝いを用意しておく。

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