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日本オープンゴルフ選手権競技 2013
ヘッドプロ! 細川和彦が狙う初タイトル【インタビュー動画】
あいにく、ギャラリーのみなさんの観戦を中止とした16日水曜日の練習日は、自宅からわずか15分の間にも、周辺のあちこちで冠水して、泥水に愛車を浸けながらやってきた。コースには松の木が落とした太い枝があちこちに散らばり、フェアウェイに川のように雨水が流れていたり、練習ラウンドも12時半まで見合わされたが、「これが初日でなくて、本当に良かった」と、細川和彦。
コースの復旧作業も、危険を避けるために火曜日のうちにたたまれたギャラリープラザ用の大テントも1日あれば、どうにか開幕までには間に合うはずだ。
吹き返しの強い風の中でときおりよろよろとよろめきながら、アプローチ練習を繰り返していた細川は、ときおり慌ただしくそばを通り過ぎていく支配人やコース関係者に作業状況を聞きながら、何度も安堵のため息をついた。
本人は2011年9月からお世話になっているコースだが、父親の和男さんはもう20年も前からメンバーとして活躍しておりアマチュアとして、さまざまな競技経験もある。親子ともども思い出の詰まったコースでこの日本一決定戦が行われることが決まってからは細川も、ときおり会議にも顔を出したり、進捗状況を見守ってきた。
開催前から、数え切れないほどの媒体から取材を受けて、大会ピーアールにも一役買った。
開場51年目になるコースは、今大会の開催をにらんで2年前に、ベントのワングリーン化が完成してから、東コースは初めてのトーナメント開催となる。
507ヤードのパー4があったり、「距離は長い(7320ヤード)けど、良いショットには良い結果が。ミスショットにはきちんとペナルティがつく。非常にフェアなセッティングに仕上がっている」とは細川だけでなく、他の選手仲間からも口々にそんなコメントが聞かれれば、ヘッドプロとしても鼻が高い。
大会に賭ける思いも高まっていく。開幕直前にあれほどの大雨に見舞われても、グリーンのスピードはほとんど変わっておらず、「今も13フィートを記録していると・・・。なんだか、普段とは違うコースで回っているみたい」と大会ならではの難条件は、コースを知り尽くしている細川とて同じことだが、それだからこそ、「気合いが入りますね」。
2005年の日本ゴルフツアー選手権以来となるツアー通算9勝目は、このコースで行われるゴルファー日本一のタイトルで、周囲の期待に応えたい。