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三井住友VISA太平洋マスターズ 2013

石川遼は連覇を逃す

通算11アンダーで迎えた最後の18番は、谷原に追いつく最後のチャンス。「ここで、イーグルパットを打つことが、最後に自分のやるべきこと」とティショットでドライバーを強振して、残り174㍎の2打目は当然、乗せることしか頭になかった。ラフからのショットは、「フライヤーするのかしないのかで番手も変わる。8番アイアンで、フライヤーはしたくない」。たとえ乗っても2段グリーンの上は避けたい。
「でも、9番アイアンでフライヤーしなかったら?」。手前の池。悩ましい選択はキャディのサイモンさんと逡巡の末に、最後は自分の決断に頼った。
9番アイアンを握った。
ピンの左7㍍は「もう、あそこしかないというところ」と土壇場の計算ずくで絶好のチャンスにつけながら、これを外して「何回もやっているのに、なんで読めないのかな」と、昨年覇者が自嘲の笑みだ。

「自分が一番、得意としているグリーン」は、今週からパターを変えて、構えや重心位置など、新たな取り組みを始めて日に日に効果を実感していただけに、悔いも残る。
「最後は見た目よりも富士山からの傾斜があったのかな。見た目より左に行った」と、悔しがる。

再三の池ポチャに悩まされた2日目、3日目。最終日は、風にも泣かされた。「めまぐるしく変わっていた。特に横風のときに、アイアンで7、8㍎も変わる」。前半こそ、対応出来ていたが、後半は「惑わされずに、プレーが出来なかった」。
大事な局面で、ボギーにした17番もそう。
「4番アイアンで、置きに行ったかな。低い球で、手前から転がして行こうと。スイング自体が守りに入っていた。防げたミス。悔しいですね」と次週の相棒に、1打及ばず悔しがった。

谷原に連覇を阻まれたのは残念だ。しかし、「これで谷さんとのワン・ツーフィニッシュ。直前の大会としては、これ以上ない最高の終わり方」。翌週は、豪州で控えたワールドカップ。共に挑む谷原とは世界一を目指そうと、すでに思いはひとつにまとまっている。大会最多に並ぶ3勝はあと一歩で逃しても世界制覇にむけて、石川にとっても弾みのつく2位となった。

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