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三井住友VISA太平洋マスターズ 2013

篠崎紀夫が、ゴルフ人生最大の不振からついに脱却?!

シード権に黄信号が灯る44歳が、やにわに首位タイに浮上してきた。最後の18番は持ち球のフェードボールがうなった。残り248ヤードの2打目はクリークで、下の段から駆け上がった。「右の真上に50センチについた」と、楽々のイーグル締めに、希望の火が灯る。

「今年は、ゴルフ人生で、初めてくらいにずっと悩んできたので」。
ドライバーショットから始まった不振は、アイアンショットに飛び火して、初秋のころは「100ヤード未満からでないと、グリーンをキャッチ出来ない」というくらいに、ひどかった。

「ショットがブレすぎていて・・・。ダフるし、左に行くし」と、ピーク時には100ヤード以内から打ってもまだ30ヤードも残っているという惨状に、まずスイングを立て直すので精一杯。

不振に陥ってから、とっかえひっかえしてきたクラブを思い切って、すべて昨年までのものに戻したのが、10月。すると今までが、嘘のように落ち着いた。この日も4番で前触れもなく、ティショットを思い切り左に曲げたが、「もはやそれも慣れっこ」とあれば動揺もなく、ボギーはそこでの一つにとどめて回りきった。

ここにきて、復調の兆しは幸いでももはや、これを合わせて残り3試合。現在の獲得賞金はボーダーラインにもほど遠い520万余のランク96位は、よほど大きな順位が必要だ。
しかし2010年には、背中のひどい痛みで戦線離脱。それでも2年後にはしぶとく、蘇ってきた。162㌢と小柄なベテランは経験豊富。この非常事態にも、さして深刻ぶることもなく「今週で、残り2試合に弾みをつけるか。それとも一発で決めるのか・・・。まあ、頑張りますよ」とニコリと笑った。

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