Tournament article
カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2013
石川遼が賞金王の難しさを力説
今から4年前だ。自身も、栄冠を手にしたから分かる。賞金王を獲るとは、どれほどのことか。まして新人選手が、史上最短(99年以降の記録)の出場16試合で、その年の頂点に立つことの難しさとはどれほどのものなのか。
石川が賞金王に輝いたのは2009年。当時18歳の戴冠は、史上最年少記録というのも破格だが、それでも石川は、デビューから2年を要した。「僕の場合は最初の年に、1年を通して良いパフォーマンスが発揮できてからその翌年に、賞金王という称号をいただけて」。
それを軽々と上回ったライバルの偉業。「難しいどころじゃないです。凄いの一言で済まされることでもない。これから出るか、出ないかというくらいに凄いこと」と石川は、松山になり変わって熱く語るのだ。
「何千人、何万人というプロゴルファーがいる中で、シードを獲れる選手でさえ、ほんの一握りなんですよ。むしろ1年目でシードを獲るというのでさえ、凄いという舞台で、1年で賞金王を獲るということは、本当に凄いことなんです。そこを皆さんには分かっていただきたい」。
しかも松山は、海外メジャーと米ツアーとを掛け持ちながらも頂点に。これにはさすがの石川も、ひれ伏すしかない。
海外選手に混じっても引けを取らない体格、パワー。小技の精度。そして心の強さ。世界の広さを知る石川でさえ、松山の持つ潜在能力には舌を巻く。
そのほかにも「ヘッドスピードの速さだったり、アイアンのスピン量。球の高さだったり」。どれを持ってしても、「英樹は世界の選手と対等なんじゃないかな。あと急に作ろうと思っても作れるものではない回転力とか。すべてがジュニアのころから培われた世界レベルなんじゃないかと思います」。
ライバルの底知れぬ力を認めながらも、自分も負けてはいられない。来季もまた共に挑む米ツアーでは、どちらが先に、その高い能力を結果として開花させるか。「大きな刺激をもらうのはお互いにでしょう。僕だけもらっても仕方ないので。自分も頑張って、英樹にも刺激を与えられるように。それが一番じゃないかなと思うんですよ」と、饒舌にうなずいた。