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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2013

河野祐輝(こうのゆうき)は“逆レッスン”でV争い【インタビュー動画】

この日はスタートの10番で、さっそく効果のほどを、実感できた。ティショットも真っ直ぐに気持ちよく飛んで行ったし、160ヤードの2打目はピン筋に飛んで、4メートルのバーディチャンスだ。

餅は餅屋じゃないけれど、芝目が強く、クセのあるザ・ノースカントリーゴルフクラブのグリーンは、ハウスキャディさんにすべてお任せ。
「最後はあんまり切れないですよ」とのアドバイスを信じたとおりのバーディ発進に、笑顔もこぼれる。
初日はあるホールでスライスと読んで、「いえ、フックしますよ」と言われて「まっすぐ打ったら、最後にほんとにフックした」とそれ以降は全幅の信頼を置いている。

そして好調のショットは、開幕前日の水曜日にヒントを得た。「150ヤードの距離をプロはどういうふうにコントロールしているか?」というテーマでゴルフ雑誌の取材を受けていて、記者から「フェードはどう打つの」と聞かれて、「普通に打ったら凄いチーピンするんですよね」。

そして普段どおりに構えた瞬間に、言われたのだ。「フェースが左を向いてるよ」。
ハッとした。確かに、だからチーピンしてたんだ。「ドローヒッターが左を向いたら、そりゃあねえ…」と、苦笑した。

自分では、これでもかというくらいにフェースを開いて構えても、これまでのクセが抜けきれずにまだやり足りないが、それでもミスショットの確率が急減した。いわば雑誌の“逆レッスン”で、上昇のきっかけをつかんだ。「でも今はまだピークじゃない。十分に(フェースを)開き切れていないので」。伸びしろがあると、自覚しているからなおさら楽しみな週末になる。

昨年のチャレンジトーナメントは賞金ランク1位に輝いた“チャレンジの星”。先週のミズノオープンでは2試合連続の予選落ちをくらっていたから、「久しぶりの決勝ラウンド。嬉しいです」と喜々として、日本プロに続く2度目のV争いに挑む。

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