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フジサンケイクラシック 2013
暫定6位の横尾要は「僕ももう歳」
一見、ネガティブな言葉の裏には、自負もある。
今年41回大会も、開催コースがここ富士桜に移って、今年で9年目。「2005年から、いっぱい経験をして、回数を重ねて、見えてくるものもある」と、富士山からの目があると、まことしやかに言われる難解なグリーンも、たとえ距離を残しても、たとえば3番では9メートルのバーディトライを完璧に読み切った。
「フックして、スライスだったか。スライスしてフックだったか。なんか、そんな感じ」と、ねじ込んだ。今季は、2戦目のアジアシリーズ「インドネシアPGA選手権」で、2位につけたあとは「匍匐(ほふく)前進」。それ以降はじりじりと、遅遅として進まず、順位を上げられずにいるうちに、ライバルに抜かれた。
そんなさなかに日大時代は、横尾と、片山晋呉とともに、「三羽ガラス」と呼ばれた宮本勝昌。
いま流行の無料通話アプリでその宮本から連絡が入ったのは7月。セガサミーカップの後で、「抜いたぞ〜」。その週に、賞金ランキングで横尾を抜いたと、律儀に知らせてきたのだ。
ジュニア時代から数えて、30年来のつきあいは、今も対抗心メラメラながら、揃ってシード権を守り続けて、「ずっと一緒。凄いことですよね」。いわば幼なじみとこれほどに長く、一緒に第一線で活躍し続けるのも、なかなかないこと。
中でも片山は、永久シード権を保持してひとつ頭が抜けた存在だが、「宮本とは傷のなめ合いというか・・・。シンゴはずっと出られていいけれど。俺たちいつまで出来んだ、とか。そんなことを言い合っている」と、長く一戦で活躍し続けるベテランならではのジレンマを分かち合いつつ、横尾が好スタートを切った。