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カシオワールドオープン 2014
シード権争いの選手にはこれが最後の戦いだ
来季からの出場資格が大幅に改訂となり、今年は賞金ランク75位までが、ひとつの大きな目安。
ただし、その中でも賞金ランク60位までの選手の出場優先順位がかなり上となり、また同61位から75位までの選手は、チャレンジトーナメントの上位者やQTランキング者らとシーズン途中に出場優先順位の組み替えが行われたり、60位を境に“格差”が設けられているため、選手たちの間では61位から75位までの出場資格を「第二シード」と呼んで、区別をしているようだ。
そういう観点からいえば、今年のシード権争いは上位60位までと、同75位までの2つの“ボーダーライン”が存在することになるが、まず上位60位までのうち、同19位の松山英樹が出場義務試合数不足のため賞金ランキングの対象外となり、現在同61位の宋永漢までが、まず最初のボーダーラインということになる。
そうすると、いわゆる「第二シード」のボーダーラインは62位から数えて76位までとなるところだが、目下その15人の中に同70位のクヌートンと72位のスピースがおり、これに加えて同78位の平塚哲二も出場義務試合数不足から、賞金ランキングの対象外で、目下その3人を抜いた79位までの冨山聡までがいわゆる「準シード」のボーダーラインとなる。
その2つの“山”をかけてシビアな戦いが始まるわけだが、この時点でその瀬戸際にすら遠く及ばないのが横尾だ。
現在、賞金ランキング122位は、「開幕から1打差で落ちるというのが続いて。だんだんおかしくなっちゃった」。そうなると、フェアウェイからでも乗らない。「体はどっこも悪くない。精神的なもの」と、ついにショットのイップスを発症して、「どうしようもなくなった」という。
42歳。「年齢的なものもあるんだろうね」と苦笑いで「今はもう、諦めている」と、ここでジタバタするというよりは、もはや気持ちは次週のファイナルQTに向かっているという。
「ここまできたらね、明るくやるしかないでしょ。笑い飛ばしてね。開き直ってやるしかない。落ち込んでもしょうがないから」。
米ツアーに参戦した2001年前後の3年間をのぞいて、15年間守ってきたシード権保持の危機も、笑う門には福来たるか。