Tournament article
つるやオープン 2014
重永亜斗夢がV争いに突入
ピンまで206ヤードの2打目は、左足下がりのライに、「右から回して、グリーンのエッジまで打てばいい」と、180ヤードを打つ計算で、6番アイアンを握った。
それが、思ったよりもドローがかかりすぎてヒヤリと、左のラフに落ちたボールはしかし、運良くキックしてピン手前4メートルのチャンスに。
「最後はオマケ」と、本人にも思いがけないバーディ締めも、先週から従来のクロスハンドに握り変えて、パットも好調。
6番ではピッチングでピンそば50センチにつけるスーパーショットもあった。
通算8アンダーにして、アトムがV争いに突入した。ボギーなしの66は、ベストスコアタイで、一気に首位タイに浮上した。
ひどい花粉症で、先週の国内開幕戦は、マスク姿の覆面ゴルファー。息が苦しい中で、2日目は予選通過には1打足りない“圏外”で迎えた最終18番。奥から下りの5メートルは、ちょんと打っただけでも、急加速しそうな難しいバーディトライをど真ん中からねじ込んだ。渾身の決勝進出に「あのときは、優勝したよりすごいガッツポーズが出た」と、振り返って笑う。
抗原と思われるスギ花粉もピークが終わり、「今週はもう大丈夫」。マスクを外した途端に生き生きと、V争いに加わった。
170センチの身長に、体重はおそらくいま60キロを切っており、9番のティーインググラウンドに上がる前にギャラリーに、「ほっそいな〜!」と、驚かれて「言わんでください」。思わず熊本弁で突っ込みたくなるほど、体力強化は目下いちばんの課題。
持病の潰瘍性大腸炎は、この日も途中の給水でにわかに差し込む痛みをこらえて踏ん張った。
コースレイアウトや攻略法を記した「ヤーデージメモ」には、鉄腕アトムのイラスト。今週、バッグを担ぐプロキャディの小野郁(たかし)さんが、やはりアトムのボールマークとお揃いでプレゼントしてくれたお手製を手に戦う。
コーチで父親の雅己さんが名付け親。昨年のファイナルQTランク1位で挑む今季は、鉄腕の名前を全面に押し出して戦うつもり。今年2月には、地元熊本市内で壮行会も行われて「周りの期待に、プレッシャーを感じながら頑張っています」。初Vに向けて、行くぞアトム!