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アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ 2015
2週連続Vがかかる、石川遼
また大利根カントリークラブは、低い位置まで枝を張り巡らせる松林が選手たちに圧迫感を与え、フェアウェイも狭く、砲台になったグリーンの間口も狭い。先週は、林から見事に球を曲げて再三のピンチをしのいだ石川も「今週は、林に入ったら木を越えられないし、林から曲げても乗って行くホールはほとんどないと思う」。
今週は、練習日からティショットが安定せず、「制御不能です」と嘆き節もこぼれるだけに、曲げた際の影響を考えても「今週は、罰が大きく全体的に先週の半分もスコアが伸びないんじゃないか・・・」。
しかし、来月にも始まる米ツアーの新シーズンに備えて、攻めの姿勢を誓ったばかりの石川だ。「潔く、かつ大胆に場面場面に応じてやっていきたい」と、コースが変わっても、その気持ちは変わらない。
先週は、約1年ぶりのツアー通算12勝目に、埼玉県の自宅にはたくさんの電報や花束が届いて「改めていろんな方々に支えられているのを感じた」と余韻に浸る間もなく今週は、車で30分ほどの自宅通勤で、会場入りする際には胸を痛めた。
「コースの近くの田んぼなんかは、まだ水が引いていないところがあった」。
今大会の地元茨城県の坂東市は、9月11日の鬼怒川の堤防決壊で甚大な被害が出た常総市の西隣に当たり、「その中で大会が開催されて、選手がここでやるからにはプレーで盛り上げていくことが大事」と、石川も使命感に燃えている。
「今週も、思い切ってガンガン攻めていきたい」。
先週の予選ラウンドでは、宮本勝昌に続いて、「今週もディフェンディングチャンピオンと同じ組。先週は、宮本さんと回って勝つ選手とはこういうゴルフをするんだと学ぶことがたくさんあった。今週、勝つためのプレーは藤田さんが教えてくれる」と、ベテランが背中で語る声に、耳を澄ませる。
「あとは、その中で自分のゴルフがどこまで出来るか」。
石川が、2週連続でまた自分だけのVストーリーを書き上げる。