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トップ杯東海クラシック 2015
伯父と甥の微妙な関係
いざ、試合が始まれば、きっと気になって仕方ない。ツアー初出場の大会で、いきなりこの難コースに挑む甥。「いつもは(リーダー)ボードを見ながらやるけど、今週は見ない!」。心配で・・・とても、見られそうにない。「大丈夫かな・・・。どうなっちゃうのかな」。可愛い甥が、気になって仕方ない。
28日は、月曜日に本戦の出場権をかけた予選会「マンデートーナメント」のアマの部で、みごと2位突破を果たした大喜(だいき)さんは、康晴の妹の息子さんだ。
大喜さんが、6年続けた野球からゴルフに転向する際にも、康晴が与えた影響は大きく、今は康晴の父、つまり大喜さんの祖父にあたる勝己さんに指導を受けるという。
康晴も、たまに地元岐阜に帰った際には、「学校の授業とか、大喜のほうがむしろ忙しいからあいつの予定に合わせて」と、日大1年生の都合に合わせてラウンドしたり、将来は自分と同じ、プロの道を目指す甥を日頃から、気にかけている。
自分の学生時代を思い返してみても、「今の学生は、ジュニア時代から恵まれていることもあり、僕の大学時代と比べてみても、あいつのほうが上手いと思う」と、今年は中部オープンを制した甥に、大いに期待をかけている伯父。
大喜さんは、そんな伯父が誇りで、憧れのプロゴルファーにももちろん、伯父の名前を挙げる。「学生時代は、ものすごい練習した、と。今でもトレーニングとか、ゴルフには妥協しないし、人前では見せないけれど、人一倍努力している。それを一番近くで見られることは、凄く刺激になる」。
それでいて、普段はそんな伯父さんのこともあだ名で呼び、「コース以外では、ため口で喋っちゃう。凄く仲良しなので」と、そんな甥っ子の照れ笑いも「そりゃそうでしょう。親戚ってそんなもの。それが普通」と、普段クールな叔父さんも、珍しく楽しげな笑い声をあげた。
そんな2人が、ツアーで共に戦うのはこれが“初戦”で、「嬉しい」と大喜さん。康晴も、大喜さんが「ドライバーで飛ばして、ピンを狙っていく」と、難攻不落の三好にも果敢に挑戦する姿勢を見せていることに目を細めて、「元気があって、若いっていい。頑張って欲しい」と、格別な思いでエールを送った。