Tournament article

三井住友VISA太平洋マスターズ 2015

石川遼は4アンダーの11位タイ

インスタートのこの日は前半に、ショットを右に曲げることが多くて、18番でも右林の奥の仮設物の下に打ち込む大ピンチだ。臨時の障害物の救済を受けても、行く手を太い木々に阻まれて、出すしかなかった。
それでも、「良いリカバリーが出来た」と、ラフから135ヤードの3打目をピンそばにつけてバーディを奪ってみせた。
それまで一進一退の流れを一気に変えた。
後半は、4つのバーディで盛り返してきた。
前半にもたついた分、同組のバッバには、初日から早々に水をあけられたが「その中でもついて行こうという感じだった」と、破格の飛ばし屋にも懸命にかじりついて大

好きな御殿場で、初日は11位タイとまずまずのスタートを切った。

改めていうが、バッバに飛距離で対抗しようという気持ちは石川にもさらさらない。

「飛距離と精度はかなわない」と石川も言ったように、飛んで曲がらないドライバーは、言うまでもなくバッバの真骨頂であり、米ツアーの選手たちでさえなかなか真似が出来ない領域である。
ラウンド中も、それで気持ちが萎えたり、または自分のスイングに力が入ったりというのもない。

この日は、バッバの5番パー4でのイーグル獲りにも「5番のセカンドショットは本当に良い球。感性は凄いな」と、素直に感心しながら、自ら歩み寄って、ハイタッチの輪に加わった。
バッバを見つめるその目は、「みなさんと同じですよ」と、口をあんぐりと開けて、行方を見守るギャラリーのみなさんと、思いは重なる。
「楽しいですね。あそこまで飛ぶんだ、という・・・。背格好が同じくらいの選手が、自分より飛んだら、クラブの使い方とか、飛ばし方を勉強しようと思いますがバッバのスイングは僕には出来ない」。
今年もその点では、ただひたすら傍観者になるつもり。
「僕も、1ヤードでも遠くにという気持ちは常にありますが、それは自分が出来る最大限の飛距離を追求するということであって、バッバと飛距離で勝負するということではなく、僕は他の部分で勝負をしていきたい」と、我が道を行く。
「自分の理想のゴルフが出来れば、このコースでバッバのようなスコアも出せる」と、別の秘策でバッバと対等に戦う道を探る。

関連記事