Tournament article
〜全英への道〜 ミズノオープン 2015
ホストプロ! 富村真治は「バーディ1コで5人抜く!」強い気持ちで11位タイ浮上
だから強気で狙っていける。
「今日は“バーディ1コで5人抜く。ボギー1コで5人抜かれる”。負けず嫌いなんでね。そういう気持ちでやった。人をターゲットにプレーした」と、2日目の42位タイから、31人抜きの11位タイ浮上は確かに、ほぼ計算どおりだ。
「自分にプレッシャーをかけてやろう、と思ってやった」。
インスタートは、いわゆる“裏街道”から出たこの日は、前半5つのバーディで折り返すと、後半の7番ではボギーにもひるまない。
8番できっちり取り返して上がってきた。
改めて、成長のあとをひしひしと感じた。
「アイアンも、ひと番手以上は変わっている」。ドライバーも「今は当たれば300ヤード」。この冬に取り組んだスイングと肉体のW改造の成果だ。初シード入りをねらったデビュー2年目の昨季。
賞金ランクは83位にとどまり、起死回生をかけた年末のファイナルQTでは、前半期の出場優先権利があるランク30位タイに
11人が並び、まさに熾烈なプレーオフの末に、どうにか滑り込むことが出来ても、「今のままでは通用しない」。
名門・東北福祉大では2010年の朝日杯争奪日本学生ゴルフ選手権や、2012年には東北アマ制覇。同年の日本アマではメダリストに輝いた。アマチュア時代から、飛ばなくても曲げないゴルフでスコアを作ってきたが、「それで人に夢を与えられるだろうか」。
ひとつ後輩の松山英樹もそうだが、プロゴルファーの魅力は、豪快なショット。「一からスイングも、体も作り直そうと思った」。このオフ、一大改革に踏み切った。
「グリップから、アドレスから。すべてを見直そう」と、所属コースのカントリークラブジャパン(千葉県)で、黙々と取り組む中でも「思うように進まずに、イライラしてクラブを投げてしまおうかと思った日もあった」。じっと我慢で腰を据え、今年の開幕戦は「まだフルショットも出来ない状態でも、時間がかかると覚悟はしていたから」と、むしろ「いまこの時期にここまでやれるとは。思ったよりびっくりするくらい早い仕上がり」と、大事なこの試合に間に合った。
「アマチュア時代から、推薦をいただいたり、今年4回目のこの大会」。今年こそ、恩返しができるだろうか。地元沖縄の興南高校ではひとつ上の宮里美香さん。昨年は主戦場の米ツアーで本シードを失い、今年の全米女子オープンは、予選会からの挑戦となり「悔しい、と言いながらもそこからちゃんと勝ち上がって、出場権を取り返す強さ」。全英オープンの出場権がかかるこのホスト大会でこそ、見習いたい。